かろうじて人間

かろうじて人間のレビュー・評価・感想

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かろうじて人間
8

変態的だが耳には残る

Guitar, Vocal: harogi
Guitar: 宮田涼介
Bass: u
Drums: 鮭

2015年に結成されたバンド。2018年現在、リリースされている作品は1stアルバムの「ゾウさんが殺す」、1st Singleの「キーウィがなんかたのしそう」のみであり、オフィシャルHPも存在しますが、情報量の少ないバンドです。ギター以外は名前すら分からない。
情報化社会と言われる中で、この情報量の少なさがまず興味をそそります。

You Tubeでは2曲MVがアップされていますが、メンバー全員が動物のマスクを被っており、素顔は不明です。「かろうじて人間」というバンドの名の通り、最早人間なのかどうかも分かりません。
ギターの宮田涼介さんはソロ活動もされており、そちらで素顔を確認出来ますが…。

楽曲は5拍子だったり6拍子だったり、4拍子のオーソドックスなリズムはむしろ少なく、とにかく変拍子を多用しまくる複雑な楽曲展開になっています。
しかし、メロディーライン自体はポップスの要素を感じさせ、複雑な展開にも関わらずそれを感じさせないサウンドになっており、この危ういバランスが心地良いのです。

歌詞の意味ははっきり言って分かりません(笑)。バンドの中心人物であるharogiさんが何を思ってこの歌詞を書いたのか、そもそも何も考えずに言葉を羅列しているのか、考えれば考える程深みにはまってしまうような歌詞ばかりです。でも、「ひとりになったり、ふたりになったり」みたいに、ジーンと来る歌詞も書いたりしていて、その予測不可能さもまた魅力と言えるでしょう(歌詞はHPで閲覧可)。

総合的に、良い意味で掴みどころの無い、フワフワした感じのバンドです。メンバーのTwitterを見る限り、ここのところ目立った活動は無いようですが、解散・活動休止というわけではないので、新作リリースに期待したいところです。