それいけ!アンパンマン

それいけ!アンパンマンのレビュー・評価・感想

それいけ!アンパンマン
9

詰まってるのはあんこだけではない

動物や料理が自我を持ち、二足歩行で人間のような言動をする不思議な世界。人間はほとんど出てこないので人間嫌いな人におすすめ。この世界で唯一の人間であるパン工場を営むパン職人、通称ジャムおじさんと、その弟子?のバタ子さん(バタ子さんは噂によると妖精らしい…)。
主人公はジャムおじさんの作ったあんパンに突然変異で命が宿った謎の生命体「アンパンマン」。彼は正義感に溢れ、誰にも頼まれていないのに毎日パトロールをし困っている人々(動食物)を助ける。時には自らの顔をちぎりお腹を空かせて泣いている子供に与える。目の前で顔をちぎって渡されたらトラウマになりそうだが、この世界では特に誰も気にしない。え、痛くないの?痛覚ないの?なんてナンセンスなこと考えても仕方ない。そもそも顔を交換可能な設定だからきっとこの世界では割と普通のこと。
そんなアンパンマンの永遠のライバル、バイキンマン。バイキンの癖に一人でゼロから未確認飛行物体のような空飛ぶ乗り物を作ったりかなりIQが高い。バイキンという嫌われるしかない残酷な運命にも関わらず前向きに生きるバイキンマンのファンも多い。ダークヒーロー。スピンオフぽくバイキンマンが活躍する話もたまにあるので是非探してみてください。

それいけ!アンパンマン
10

正義とは何か

アニメ放送開始から約30年。
アンパンマンは子供から愛されるヒーローですよね。
今ではゲストキャラクター同士の話が多く、内容も薄くなりがちなのですが、放送から3年以内のエピソードや映画ではなかなか重たいテーマを扱った回もあり、大人も見入ってしまうことでしょう。

新しいパンを生み出したいジャムおじさん、アンパンを焼いているときに空から流れ星が降ってきました。
降ってきたのは「命の星」、アンパンマンはそこで誕生しました。
アンパンマンの最大のライバルであるばいきんまん。生まれる前からアンパンマンを倒すために、流れ星である命の星を、生まれる前の卵に入った状態でばいきん星から追いかけてきます。「生まれる前からのライバル」ですね。
アニメ開始から30年間、ばいきんまんはずっとアンパンマンを倒すために日々がんばっています。

私が一番おすすめしたいエピソードが「アンパンマンととぶ木馬」です。
ばいきんまんとドキンちゃんが「メリーゴーランドに乗りたい!」と変装して街の遊園地に遊びに行きました。
変装が相変わらず甘かったため、ばいきんまんだと周りにバレてしまい逃げられてしまいます。
「俺さま達メリーゴーランドに乗りたかっただけなのに…」
結局メリーゴーランドには乗れず、気分が落ち込む二人。
ばいきんまんは得意の発明で「とぶ木馬」を作り、大好きなドキンちゃんにプレゼントをしました。
木馬はドキンちゃんが乗ると暴走してしまい、ばいきんまんも止められないほどになってしまいました。
自分ではドキンちゃんを助けられない…
そんなときにアンパンマンが助けにきました。とぶ木馬に蹴られて顔が歪んでしまい、新しい顔が必要になりました。
「アンパンマン!助けてくれ!ドキンちゃんが大変なんだ!!」
パン工場に行き、ジャムおじさんたちに新しい顔を作ってくれと頼むばいきんまん。
嘘をついているんじゃないか、罠なんじゃないのかと疑うパン工場の人たち。
しかしばいきんまんは必至に説明し、何とか新しい顔をもらうことができました。
新しい顔になり、木馬からドキンちゃんを助け出すことができました。

1000話を超えるエピソードの中でアンパンマンとばいきんまんが協力する話はほとんどありません。
このエピソードは最初最終回になるはずだったそうです。
普段悪いことばかりしているばいきんまん、だから悪いことをしていないときにも周りに怖がられてしまう。
アンパンマンは正義の味方であり、「悪の敵」ではないのです。
なのでばいきんまんが悪いことをしていない、と思い協力したのです。

アンパンマンには「正義とは何か」というメッセージ性があり、映画でもそのテーマを取り扱ったものもあります。
子供向けアニメだろ、と馬鹿にせずに一度見てみることをお勧めします。