エボラシンドローム~悪魔の殺人ウイルス~

エボラシンドローム~悪魔の殺人ウイルス~

『エボラシンドローム~悪魔の殺人ウイルス~』とは、1996年の香港のパニック・ホラー映画。エボラ・ウィルスに感染した男が香港をパニックに陥れる。監督はハーマン・ヤウ、主演はアンソニー・ウォン。香港マフィアのカイはボスの女房を寝取った事からリンチに会うが、逆上の末ボスを殺しアフリカ某国へ逃亡。そこでエボラ出血熱に感染するが、耐性があり復活する。香港へと舞い戻ったカイは、歩く病原体となって街中をパニックに陥れる。日本では1997年に劇場公開された。また、2015年8月、90年代の香港バイオレンス映画を集めた特集上映「スーパークレイジー極悪列伝」でリバイバル上映もされている。

エボラシンドローム~悪魔の殺人ウイルス~のレビュー・評価・感想

エボラシンドローム~悪魔の殺人ウイルス~
8

エボラシンドロームはやばすぎる映画

今や香港映画の世界を代表するスターになったアンソニー・ウォン。
インファナルアンフェアなどでダンディなイメージが強い映画ファンの方も多いのではないでしょうか?しかし中国に返還される前の香港映画は今では想像できないほどキレキレであり、ハリウッドでは到底やれないような映画をやっていました。本作エボラ・シンドロームがその典型例だといえるでしょう。当時ダスティン・ホフマンの映画「アウトブレイク」が流行していた時期で世界的に伝染病に対する脅威が改めて浸透していた時代でした。そんな時代に作られた本作。エボラウィルスに感染し抗体ができてしまった男が引き起こす騒動と凶行にふるえるホラーコメディになっています。ホラーといえば、幽霊や怪物を意識しますがこの映画での恐怖の対象はなんと「人間」そして「病原菌」です。女性を平気でレイプし子供を平気で殺し、さらに殺した相手をレイプするというとんでもない男でこの男が破壊活動を行えば行うほどエボラウィルスが充満していく悪循環に陥ります。ちなみにこの悪人には天誅が下るので安心してください。今中国映画は世界最大の市場になりましたが、残念ながら制作されるほとんどの映画はハリウッド映画未満の出来です。今こそこういうかつての香港映画のノリをとりもどしてほしいものです。