サカサマのパテマ / PATEMA INVERTED

サカサマのパテマ / PATEMA INVERTED

『サカサマのパテマ』とは、2013年の日本のアニメーション映画。監督は吉浦康裕。突然一部の重力が反転し、多くの人や物が空へ向かって落下した世界が舞台。大空に憧れる少年と地底世界の住人の少女が出会い、冒険に繰り出す。やがて2人は封印された世界の秘密へと近づいていく。第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、スコットランド・ラブズ・アニメ2013観客賞及び審査員賞を受賞。第7回アジア太平洋映画賞最優秀アニメーション映画賞にノミネートされた。

サカサマのパテマ / PATEMA INVERTEDのレビュー・評価・感想

サカサマのパテマ / PATEMA INVERTED
8

ファンタジー且ドラマチック

重力が逆さまになっているという、奇妙でファンタジックな発想で、ドラマチックな人間模様を表現しているのでのめり込んでしまいます。
空を異常に忌み嫌い、ただ見上げることすら許されない世界のアイガに住むエイジと、地下の世界に住んでいる住人のパテマが出会うシーンは鳥肌が立ちました。
エイジがパテマに対して、パテマは逆さま人間であると言いますが、視聴者から見ればお互いに逆さまであるのだと言いたくなります。ここで深読みをすれば、一種の偏見や差別に対する問題提起をしているとも取れます。世界には色々な人が居て、例えばそれが重力の違いから生まれるものかもしれないと。
何だかんだ2人はお互いに言い合いながらも、重力が逆さまの2人で力を合わせれば空も飛べることを知った2人が次第に関係を深めていく部分が素敵です。恋愛要素の入ってくるので、アニメを見ない女性でも比較的楽しむことが出来ると思いました。
アイガに行ったきり戻らなかったパテマの大切な友人であるラゴスと、空を飛ぼうとしたエイジの父親が、実はお互いに出会っていたという事実をパテマとエイジが知るシーンはとても感動しました。人と人との繋がりって大切なのだと改めて感じました。