「叩かれたゲーム=クソゲー」という方程式は間違っている‼
フリーダムウォーズはPSvita発売と同時にvitaをアピールするための看板作品として登場したTPS箱庭狩りゲーだ。本作品はポストアポカリプス、ディストピアを根幹としている。主人公らは各地にある都市でありながら牢獄の中に閉じ込められており、資源を取らず生産性のない者は罪であるとされ生まれ持って100万年の懲役がある。減刑のために資源採取や敵(他の牢獄都市とは敵対関係にあるため)に捕らわれた仲間の奪還等の任務をこなし100万年の懲役を終えることが主人公たちの目的である。発売前はかなりの人が本作に期待していた。満を持して発売するも発売と同時にネットでは低評価の嵐となった。
理由として、第一にストーリーの説明不足、矛盾が噴出したことにあるだろう。
その中で出てくる用語(例:咎人=囚人の意、パノプティコン=牢獄都市)が説明不足によりストーリーを読みにくくしてしまっている。名前だけの設定、伏線の未回収も目立つため、「未完成」に見えなくもない。
第二にシステム面において、困難であったり理不尽な所がある点だ。
いくつかのミッションの難度が異様に高く、素材が手に入りにくくなってしまっている。更に素材が入りにくいことで武器の強化もままならず100時間プレイした当方でも最終段階まで強化できた武器はない。
素材を合成することで新しく使える素材を生み出す面白いシステムもある。しかしそれを利用することで欲しい素材+ゴミ(要らない素材)を放り込むことで欲しい素材が放り込んだ数より増えて帰ってくるというシステムをぶっ壊しかねないやり方が存在する。巷では「工場長プレイ」と呼ばれている。
第三にNPCの存在だ。
任務に行くときはNPCを連れていくことが出来、プレイヤーとともに戦ってくれるのだ。一見すると良く見えるが実はNPCが非常に厄介な存在になってしまっている。NPCがニート状態なのである。NPCに指示出しが出来るのだが攻撃か防御かの極端な指示しか出せないため回復もせず突っ込んだり、倒れたキャラクターを助けに行くため攻撃もせずに棒立ちしていたりするのである。当然そのうちNPCが倒れるためプレイヤーが助けに行くいくことから「衛生兵ゲー」とも揶揄される。
...出来の悪いゲームと言わざるを得ない。
しかしクソゲーと決めつけるのは早計というものだ。もう少し待ってほしい。
このゲームにも当然良いところはちゃんと存在する。
プレイヤーたち咎人は何故か右腕に巻き付いた荊(例によってこれも説明不足により理由は不明)によって某進撃漫画の立体起動装置のようなアクションが出来る。壁や敵にそれを伸ばし移動手段に使ったり、味方に伸ばして回復をしたり地面に張って罠や防御にしたり等、幅広いアクションが出来るのだ。
これが非常に面白く、仲間を回復したり罠を張り、上手く立ち回る方法が必要であり戦略性が生まれるのだ。
次に多様な武器である。十数種の武器があり剣や銃、爆弾等様々な選択肢が用意されている。そのうち2つ持ち込みが可能で、切り替えたり敵が落とした武器を拾って戦うシステムが良い。敵が落とした武器を持ち帰って主力武器にしたり売ったり素材にしたりプレイヤーに選択肢が与えられる。
そして何より安い点だ。現在中古ゲーム店では多くが1,000円を切っており100円のところも少なくない。これなら失敗してもあまりお財布は痛くないですから是非ともプレイしてみてください。
総評
全体的に惜しいゲームであり、光るところもあった。だがアップデートで直しきれる範囲ではなく残念な結果に終わってしまった。だがまったく面白くないクソゲーかと問われれば「面白いゲームだ」と声を大にして言ってやりたい。
ネットで叩かれたからと言ってまったく面白くないものなのではないことをこれを読んだ方にも知っていただきたい。どんなものにも良い点と悪い点は存在するのだからよい点に目を向けてやることも大事だ。