美少女&スチームパンク
2017年のアニメ作品『プリンセス・プリンシパル』。19世紀末のロンドンが舞台。ロンドンの東側が王国、西側を共和国が統べる。主人公のアンジェは、スパイとして王国側にあるクイーンズメイフェア校に潜入する。この国の王位継承権4位のシャーロットという王女と入れ替わり、「チェンジリング作戦」を決行するために…。
本作が従来のアニメ作品と違うのは、とにかく「秘密」が多いこと。スパイのアンジェに秘密があるのはもちろん、王国の女王シャーロットにも重大な秘密がある。それを物語の前半では明かさず、第6話で明らかにしている。
主人公アンジェや、女王シャーロットに起きた出来事を、あえて時系列をバラバラにして放映していたため、毎週視聴していた者は最新話が放送される度に以前の話を見直したのではないかと思う。私も合計3回ほど作品を見直した。
私がこのアニメを好む理由は、伏線や謎がありミステリアスなことだけではなく、キャラクターの一人ひとりに味があること。主人公のアンジェは一見クールで人と関わらなさそうなのに、任務の途中で少女を助けるなど「スパイなのに人に優しい」一面もある。アンジェとスパイ学校で一緒だったドロシーも、一言で言うと「ドジっ子」でうっかりミスが多く、あまりスパイらしくない性格をしている。
地味で暗くなりがちなスパイというテーマだが、一人ひとりのキャラクターの個性により明るい雰囲気になる。
2021年2月には1作目の劇場版も公開された。これからの展開も楽しみだ。