人形草紙あやつり左近

人形草紙あやつり左近

『人形草紙あやつり左近』とは、写楽麿(原作)、小畑健(作画)による漫画である。人間国宝の文楽人形師である橘左衛門の孫・橘左近が、人形の右近とともにさまざまな事件を解決するミステリー作品。1995年から集英社の『週刊少年ジャンプ』で連載が始まったが、翌年には連載打ち切りとなった短命作品としても知られる。しかしのちに小畑が『ヒカルの碁』などで活躍したことから再度注目が集まり、アニメ化や書籍化も行われた。

人形草紙あやつり左近のレビュー・評価・感想

人形草紙あやつり左近
8

打ち切られても根強い人気

デスノートやバクマンで有名な小畑健さんの作画による90年代ジャンプのサスペンス漫画で、人形遣いの気弱な青年「橘左近」と、明治生まれの童人形「右近」のコンビが殺人事件を推理し解決していくストーリーです。
左近は普段はおとなしいのに一度、右近を操ると別人のような行動力を発揮し、頭脳明晰でクールな青年に早変わり。一方、右近は人形とは思えないほど表情豊かで、左近とは正反対の明るくにぎやかな性格です。漫画内で右近は他キャラクターなどとギャグ的やり取りがあり、左近はクールにすましてやりすごす描写がありますが、よくよく考えると全て左近の一人芝居なんだよな~と考えるとそのギャップが愛おしく感じられたり、本編がシリアス展開なだけにふとした時にのぞかせるキャラクター同士のやりとりがこの漫画の魅力にもつながっています。
また、推理モノとしてもとてもよくできていて、「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」にも匹敵する出来栄えです。
絵柄も初期の小畑健さんのタッチで90年代のおどろおどろしさが残っていて古臭さを感じさせないサスペンスにはピッタリな絵柄です。
残念ながらジャンプでは打ち切りとなってしまいましたが、コミックは全4巻と集めやすく、連載終了後にもアニメ化されたりと根強い人気のある作品ですので是非一度読んで頂きたい作品です。