無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにん

無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにん

『無限の住人』とは、講談社・『月刊アフタヌーン』において1993年6月から2012年12月まで連載された沙村広明によるサムライ・アクション漫画である。コミックスは全30巻が発売されており、新装版は全15巻となっている。アニメ化もされており、2017年には木村拓哉主演で実写映画化もされている。
江戸時代を舞台に、両親を殺された少女・浅野凛と、仇討ちのために雇われた不死身の肉体を持つ用心棒・万次は、その仇討ちの相手である剣士集団逸刀流・天津影久を追う中で、幕府を巻き込んだ戦いに身を投じていく。

無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにんのレビュー・評価・感想

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無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにん
10

実写映画化もされた知る人ぞ知る人気漫画

キムタク主演で実写映画化もされたサムライマンガです。

とあるきっかけで不老不死になってしまった元侍の万次が、両親を殺された女の子、凛の用心棒として敵を追うというストーリーですが、次々出てくる強い剣客と不老不死の万次との戦いは面白いですし、絵がうまいのも魅力です。

私は面白くても絵が下手だと読む気がしなくなってしまうのですが、作者の沙村さんの画力は素晴らしいです。
キャラクターたちも個性的で魅力的な人物ばかり。普通のサムライマンガではないような服装なんかも見ていて楽しいです。

凛の仇の天津も自分なりの立場と考え方があって凛の両親を殺した(流派を潰した)わけであって、いい人と悪い人の線引きが明確ではないところも考えさせられるというか、大人でも楽しめる要素になっていると思います。
私も最初に読んだのは10代の頃でしたが、40代の今になっても楽しく読むことが出来るし、おそらく今後もそうだと思います。

不老不死であることの苦しみや、強い剣客が山ほど出てくるのに、どうやら一番強い剣客が絶対にサムライになれない女性というところもなかなかほかのマンガにはない面白さがあると思います。ちなみに私は自分も女だからか、この女性キャラが一番好きです。

無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにん
7

タイトルなし

2017年に映画化されたようですが、その前に漫画で読んでいました。
映画はまだ見ていませんが、そのうち時間があったら見てみたいと思っています。ここでは、漫画を読んだ時の感想を書きます。

無限の住人というタイトルですが、無限を生きる人の話です。不老不死の能力を持った男性が主人公ですが、侍なのには驚きです。最初はすごく強いのだろうというイメージでしたが、かなり最初のほうで期待を裏切られます。というよりも、かなり最初のほうで作中でもかなり強い敵が現れますので、主人公が弱いというイメージは、序盤から強い敵がばんばん現れるせいかもしれません。全体的に見たら主人公はそれなりに強いのでしょう。主人公が敵にぎたぎたにやられるシーンが何度も書かれる漫画は珍しいです。
この漫画の印象ですが、主人公があまりかっこよくない・かっこいいシーンが少ないということです。最強クラスの敵にはまるでかなわない主人公であり、不老不死の能力がなければ序盤であっさり死んでいます。その点で好き嫌いがわかれそうですね。かっこいい主人公が無双して敵をばんばんやっつけていくというシーンを見たい人は期待を裏切られるでしょう。
全体的にストーリーにひきこまれたのは、主人公よりもむしろヒロインの復讐がストーリーの軸になっていたからかもしれません。むしろヒロインのほうが強い意志を持っていて、感情移入して読むことができました。あえて難点を言うなら、中だるみがあることです。もう少しコンパクトに物語がまとまっていたらもっと良かったと思います。

無限の住人 / Blade of the Immortal / むげにん
10

とにかく敵役がかっこいいそういう漫画です

以前に国民的アイドル木村拓也さん主演で映画化もされた、知る人ぞ知る時代劇?漫画です。
主人公の万次は100人斬りの異名を持つ不死身の用心棒で、幼い頃両親を目の前で殺された凛という少女の復讐を代行、依頼人の護衛を努めます。
ここまでは主人公目線ですが、この漫画の面白いところは凛の仇、敵である逸刀流頭目・天津影久のカリスマ性がとにかくかっこいい!
その外見は控えめに言っても強そうとは言えず、体躯は周りの剣士に比べれば見るに及ばすですが比類無き剣力で次々と門徒を拡大。
ついには江戸幕府のお抱えまで登り詰めます。
順風満帆に見えたその船路も幕府の裏切りに遭い道を閉ざされるのですが、目的を変え信念を曲げないその力強い生き様は正に理想のリーダー像でしょう。
時には去る者、犠牲になるもを言葉にせず背中だけ描くその描写はあまりにも切ないものです。
主人公目線で描く漫画ももちろんかっこいいものばかりです。
しかしながら、ここまでかっこいいだけではなく人の魅了、脆さを両立した敵役はそうそうお目にかかれないでしょう。
生まれ持った才能がなくても努力と強い信念で描かれる姿は見習いたいものばかりです。
ご興味のある方は是非ご一読ください!