鬼平犯科帳

鬼平犯科帳のレビュー・評価・感想

New Review
鬼平犯科帳
8

時代劇漫画の入門としては。

池波正太郎原作の有名時代小説のコミカライズです。
作者は「ゴルゴ13」のさいとう・たかを氏。リイド社刊のコミック乱という時代劇専門漫画雑誌の看板漫画です。
TVドラマとして何回も映像化されており、中村吉右衛門主演のシリーズが2016年末に完結し、またその直後の2017年冬にアニメ化されたということで記憶にある方もいるかもしれません。

江戸時代中期、火付盗賊改方という盗賊と放火を取り締まる役職の長官である鬼平こと長谷川平蔵とその部下・密偵の活躍を描いた作品です。
当時の時代背景を知ったりもできるかと思います
基本的に1話完結ですが、登場人物が多いので途中から読むとわかりづらいかもしれません。
平蔵が殆ど出てこない回や斬り合いが全くない回なんかもあります。

原作小説は未完なのですが、それでも135作(+番外編1作)あります。しかし既に300話近く連載しています。
前後編としているパターンもあるのですが、他の池波作品からストーリーの借用・アレンジをしたりして続いています。
ですので、他の池波作品を読んだことのある人なら「あれ、この話あの作品じゃないか」と思うでしょう。

作品のストーリーの面白さについては申し分ないのですが、劇画の大家たるさいとう氏の漫画なので当然劇画です。
絵のタッチは万人受けはしづらいかもしれません。
そのため、10段階評価は8とさせていただきました。
ちなみに、1話から読み進めていくと途中から人物のタッチがガラッと変わります。
さいとう氏は漫画製作にあたってかなり分業が進んでいるらしいので、それが原因かもしれません。