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法廷映画ジャスティスの面白さ
名優アル・パチーノがゴッドファーザーPARTⅡから4年後に出演した映画です。
40前ながら熱血正義感あふれる青年弁護士を熱演した法廷を中心にした物語です。ゴッドファーザーのマフィアのドンのイメージがあまりにもパブリックイメージとしてしみついた現状を打破すべくのぞんだ、意欲作の勢いを感じます。マフィアとは真逆の弁護士役ですが無理もなく、わざとらしさもなく見事に演じていますし感情移入できます。興味深い所ではリー・ストラバーグとの共演。ゴッドファーザーでは敵対する大物マフィアを演じたのでこの映画でも法廷をめぐって言い争うキャストかと思いましたが意外や意外、パチーノ演ずる弁護士が父に代わり奨学金を提供し孫に愛をはぐくむ祖父役です。不正に怒り判事を殴り留置場にいれられたパチーノの姿から映画は始まります。この映画を通じて感じるのは法廷で働くひとたちの神経のすりへらしているさまです。パチーノの友人の弁護士、先輩の判事、検事ともども犯罪者が多発するアメリカにおいて人間の人生を変えていくきっかけをジャッジすることを仕事に選んだ人たち。彼らは自殺願望や錯乱状態にもなったりします。エンディングはあまりにも急で説得力に欠けますが、柔軟性がありながらもひとりの人間を弁護する正義感をもつキャラクターをパチーノは見ているものを納得させる好演をしています。