圧倒的な映像美
ギレルモ・デル・トロ監督のゴシックホラー映画です。特にこの映画は、目だけでも十分に楽しむことが出来ます。衣装、小物、建築物の細部全てが美しく、そして不気味なアラデール・ホールは、クリムゾンピークの暗然たる空気を作り出していています。どこを見ても「さすがギレルモ・デル・トロ監督だな」、と思えるような完璧な世界観です。何かはっきりと驚くような演出がでてくるというよりは、悪夢を見ているかのような不思議な感覚に浸れます。本当に世界観が美しいので、初めに見た時はストーリーに集中することを忘れてしまうほどでした。ゴシックホラーマニアの方には特にお勧めで、恐怖とビジュアルを存分に感じることが出来ます。主人公イーディスと、彼女に忍び寄るトーマス、いつも何か裏がありそうな表情をするトーマスの姉ルシール・シャープ。おどろおどろしい屋敷の中での生活をはらはらしながら見ていました。そしてトーマスの裏の顔を知ってしまったときには本当に衝撃を受けました。まるで謎解きのような感覚でこの映画を楽しめることができるはずです。