永遠の僕たち

永遠の僕たち

『永遠の僕たち』は2011年に公開された、ガス・ヴァン・サント監督によるアメリカ合衆国の映画。脚本はジェイソン・リュウが担当。出演者にヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮がいる。
不治の病に冒されたアナベルという少女と、死に取り憑かれヒロシ・タカハシという日本の特攻隊員の幽霊が見える主人公、イーノックの恋を描いている。脚本は舞台劇『Of Winter and Water Birds』に基づく。
愛と死について考えさせられる作品となっており、死がもたらす悲しみ以外の部分にも焦点が当てられている。

永遠の僕たちのレビュー・評価・感想

永遠の僕たち
10

名匠ガスヴァンサント 儚くもたくましい青春、ヒューマンドラマ

会ったことすらない他人の葬儀にこっそり参列することが趣味の、心を閉ざした少年イーノック。彼は両親を事故で失い、彼にだけしか見えない日本の特攻隊員の幽霊・ヒロシにしか心を許していなかった。
そんなイーノックはある日、以前に他の葬儀で見かけた少女アナベルと出会う。アナベルは常にどこか幸せで穏やかな雰囲気が漂う少女で、イーノックとは対照的な存在に見えた。
しかし、彼女の余命は残りわずかであることをイーノックは後々知ることとなる。
心を閉ざした少年が、余命わずかの明るい少女との出会いによって、成長し、恋をし、苦悩し、人生と再び向き合い、闘い、生きていこうとする。

人が避けては通ることができない「死」というテーマ。
とことん「死」がつきまとう作品であるが、重苦しさが充満するのでなく、時に楽しく、やさしく、柔らかい雰囲気で見ている人を包み込む。
主演イーノック・ブレイ役を演ずるのは、あのデニスホッパーの息子ヘンリーホッパー。余命わずかな少女アナベル役を演ずるのは、あのアリスイン・ワンダーランドで一躍名の知れたミア・ワシコウスカ。監督は数々の名作を世に出す名匠ガス・ヴァン・サント。
「死」と向き合う時間だけが、私たち人間に終わりが来ることを実感させる。人は死ぬ。だからこそ今を本気で生きるべきなのである。
普段何も考えず惰性で生きている人も少なくない。1日をなんとなく過ごしまた次の日が訪れる。幸せを享受できず自分が不幸であると感じてしまう。そんな人に見ていただきたい。人生は喜びで溢れている。どんな小さなことでも幸せに変えることができる。生きているのだから....。