機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST

『機動戦士クロスボーン・ガンダムDUST』とは、『ガンダムエース』にて2016年9月号から2021年2月号まで連載されていた長谷川裕一による漫画。単行本は全13巻。『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の続編であり、同作から15年以上経過した宇宙世紀0169年を描いている。「クロスボーン・ガンダム」シリーズの第4作であり、長谷川オリジナル作品としては第3作目にあたる作品。

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUSTのレビュー・評価・感想

機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
10

長谷川裕一によるガンダムシリーズに見せかけたオリジナルSF大作

時は宇宙世紀0169、ガンダムが大地に立ってから実に90年後の世界が舞台です。
先のザンスカール帝国との戦争は、リガ-ミリティアの活躍により幕を閉じたものの、戦争の決定打になったのがレジスタンス組織であったことが結果として地球連邦の弱体化を露見させることになりました。こうして地球連邦の衰退と激増するコロニー間の抗争により、「宇宙戦国時代」と呼ばれる時代が始まりました。

一番の特徴としては、これまで進化を続けてきたモビルスーツが、紛争の長期化で軍事技術をはじめとする技術力の低下等になり技術として衰退していることです。結果として新型モビルスーツの開発・建造が困難になり、そのためレストアした旧世代モビルスーツが主流となりました。これがどれくらい衰退したかというと、宇宙空間で大気圏内飛行用モビルスーツのバイアラン(劇中より70~80年前位の機体)がボスっぽく使われるくらいです。そのため、主人公のアッシュ・キングの専用機もる複数の機体のパーツをつなぎ合わせてレストアされた機体とガンダムシリーズでもかなり珍しいものになっています。その他にもビーム兵器がかなりレアなものになっていたり、過去のシリーズでは厄ネタの一つであった強化人間が廃れた技術になっていたりします。そして世界そのものの雰囲気もこれまでのガンダムが良くも悪くも活気やエネルギーがあったのに対して本作品は地球圏そのものが不景気でぼんやりと暗いイメージとなっています。そんなめちゃくちゃな世界で、それでも争いの無い世界を目指すヒロイン、レオ・テイルはガンダムシリーズのヒロインらしく世間知らずで、しかし強い心を持った存在です。現在は1度地球に降り立ったもののまた宇宙へと上がり木星の女王であるテテニスの救助を目指していますが、中々に一筋縄ではいかないようです。これからも更に注目していきたいです。