ワイルド7

ワイルド7

『ワイルド7』(ワイルドセブン)とは、望月三起也による漫画作品及び、それを原作としたメディアミックス作品群。また、作中に登場する組織の名称である。日本の法律では裁けない悪を裁くため、悪人に対して即断即決の武力行使を容認された超法規的組織「ワイルド7」のメンバーが活躍する姿を描く。1972年にドラマ化され、2011年には実写映画化された。

ワイルド7のレビュー・評価・感想

ワイルド7
9

時にワイルドで、時に繊細な描写

『ワイルド7』は、今は亡き望月三起也氏の作品である。
主人公は警察に雇われた「元悪人」七人で、手錠を付けられることもなく自由に犯罪者を捕まえる刑事ものである。全体的にアクションが多く、主人公たちはバイクを乗り回し、場合によっては戦争に巻き込まれたりもする。暴走族最盛期の頃であったのか、基本的には暴走族が登場する。
そのような「暴力的(ワイルド)」な世界観であるにも関わらず、いや、そのような世界観だからこそ、細やかなトリックが映える。「犯罪者を捕まえる刑事もの」であるからには、犯罪者は巧妙なトリックを仕掛けたり、詐欺まがいのことや、精神的なトリックを仕掛けてきたりする。彼らは時にワイルドで、時に狡猾に犯罪者たちを追い詰める。そのさまはやはり、戦争ものに通じる興奮があるものだろう。
また、主人公たち七人のキャラクターも魅力であるし、彼らのたまり場「ボン」のイコちゃんの可愛さも見どころだ。そして七人のリーダー、飛葉大陸(ひば だいろく)のハードボイルドで爽やかなカッコ良さは、現代なら「名探偵コナン」の安室透にも負けぬ人気を誇るだろう。いや、かつてそのくらいの人気があったのかも知れないが、私は生まれていないので分からん…(笑)