聖剣の刀鍛冶

聖剣の刀鍛冶

『聖剣の刀鍛冶』(せいけんのブラックスミス)は、三浦勇雄による異世界ファンタジー系ライトノベル、およびそれを原作とした漫画やテレビアニメ、ラジオ作品。イラストは屡那。MF文庫Jより2007年11月から2013年8月まで全16巻が刊行された。『上等。シリーズ』に続く三浦勇雄の第2作である。
山田孝太郎作画により、『月刊コミックアライブ』2009年5月号から2017年3月号にかけて連載された。テレビアニメは2009年10月から同年12月まで放送された。

聖剣の刀鍛冶のレビュー・評価・感想

聖剣の刀鍛冶
10

ズタボロになっても突き進む

最初はイラストが好みだからという理由で購入した本でしたが、とても面白かった。
主人公の女騎士は、不器用だけどまっすぐで、正義感が強く、誰よりも熱い女。どれだけ敵にズタボロにされて、何度も負けても、立ち上がって前に進んでいく。
その姿や言葉に魅了され、心を熱くされる。たくさんの勇気をもらえる物語。
不器用な主人公を支えるのは、ルーク・エインズワースという刀鍛冶。彼は過去にあった、とある出来事により、刀は打たないと言っていたが、主人公のセシリー・キャンベルからの絶え間ない猛アプローチにより、だんだんと心境が変化していく。
ルークは、冷たくて人を寄せ付けないような無愛想な性格だが、そんな心の壁を簡単に乗り越えたり、ぶち壊したりしてくるセシリーに、心も惹かれてゆく。
ここまでボロボロになる女の主人公はいないんじゃないか?というくらいボロボロになるが、何度でも立ち上がり、いつも全力全開で、目に見える全てのものを救っていく、超かっこいいヒーロー。
もちろん、他のキャラクターもとてもいい。それぞれに個性があって、過去もちゃんと描かれていて、悪役にも少し情が湧くほど繊細に心情が描かれている。
きっと一度読めば、この爽快感、躍動感、どこか少し青臭い感じが、すごく癖になって、ついつい胸を熱くし、あっという間に全巻読み終えてしまうだろう。