学校生活を描いた文化作品
読み始めはギャグ漫画かな、て思うけど読み進めると深い。かなり深い。入り込みやすくて読みやすいので、さくさく読めます。まぁこんな展開になるかな、というのをことごとく超えてくれます。こちらの想像よりはるかに上をいってくれます。読みながら、えぇ!そうなっちゃうの、と笑いが絶えませんでした。それでいて、こうなって欲しいな、ていうポイントは抑えてくれる、気持ちのよさもあります。
特に、途中花火大会での前田くんへの扱いは本当に笑えました。あぁ、私、心のどこかで前田くんが傷つくのをみて喜んでる、という自分の負の感情にもびっくりしました。一般の学校社会では、ごくごく普通の青春を謳歌しそうなリア充キャラの前田くんの、この漫画の中での扱いといったら。そこらへんに、現実の学校生活への不満のはけ口を前田くんに当てはめているというか、いかに普通だと思って過ごしていたあの高校生活が特殊な世界だったか、という部分がよく表れているような気がします。
教師の心の声も現実的で笑えましたね。大人になってから当時を思い出すと、社会に出てから困るぞ、と言い放っていた教師に腹が立つというより、なんだか哀れな気持ちがします。その免罪符、学生にしか通用しませんから。