復讐の未亡人

復讐の未亡人のレビュー・評価・感想

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復讐の未亡人
8

絵の表情に惹かれて

真面目な仕事人間の夫が、職場の上司や部下たちの身勝手な行動により自殺してしまいます。その復讐のために、夫の弟にも協力してもらいながら、一人一人に恐怖を味合わせていく。相手が徐々に追い込まれてどうしようもないところまで引きずり降ろされます。結局夫を一番自然にフォローしていた人と結ばれるのです。仮装に近い形で魅力的に変わる未亡人の主人公は、復讐を果たして本当に幸せなのかどうかはわからないです。現実にはあり得ないけれど、日本ならではの復讐と言うやり方かもしれないです。世の中の人が簡単に変わらないというか意見をはっきり言えないところに本質的な問題があると思います。つまり、できないということを周りにはっきり言える様になり、それを気にしないような社会になればこういう復讐と言う形にしなくても解決策はあるのではないかと思います。どうすれば、こういう最悪なやり方でない生き方ができるのか、それをそろそろ日本人である我々が本気で考え実行しなければいけない時代になっている気がします。それは、政治家の仕事ではなく、我々国民の考えることなのだということまでこの作品は提示しているのではないかと考えます。

復讐の未亡人
8

痛快 女の復讐劇

内容はざっくり言えば、ブラック企業で働いていた夫が過労から自殺をし、妻が夫の同僚達に復讐していく話です。
復讐と言っても、グロ描写があったり、血を見たりというのではありません。ただ性描写が多いです。男には体を使って誘惑し、女相手は言葉巧みに操ったり、協力者が体を使って陥れたりします。

主人公は正体を隠すために『蜜』と名を変えた妖艶で仕事も出来て優しい、まさに完璧な女性。ただ言葉巧みに相手をあしらったり心を掴んだりするのは心理学を学んだようですね。
常に柔らかい笑顔を浮かべているものの、復讐を実行するときは瞳孔が開き、狂気じみた顔になります。ちょっと出来すぎな気もしますがこういう人が本当にいたら恐ろしいな、という印象。
男相手には体を使った誘惑が多いのですが、貞操観念が薄いとかヤるのが好きなだけ、という感じではないように思えました。憎い相手でさえ愛おしい相手のように愛を囁ける、これぞ究極の狂気だなと思います。

性描写が結構多くてそういうの萎える、という人もいると思いますが、個人的には面白かったと思います。主人公の蜜がそういった行為を好んで行うのも含め良い感じに狂ってるので。
復讐の内容は殺人や拷問ではなく、言葉や精神的に追い詰めて最終的には人生を台無しにされるようなものだというのも良かった。あっさり殺して終わり、ではないあたりに蜜と陽史の狂気をうかがわせます。