残響のテロル

残響のテロル

『残響のテロル』は、MAPPA制作による日本のオリジナルテレビアニメ作品。キャッチコピーは「この世界に、引き金をひけ。」。2014年7月から9月まで、フジテレビ「ノイタミナ」枠にて放送されていた。2014年には第18回文化庁メディア芸術祭において、審査委員会推薦作品に選出された。ある夏の日、都庁で爆発が起こる。それは、事前に予告された爆破テロで、犯行声明の動画には2人の少年が映っていた。彼らが起こす事件とその動機により現れる国家の闇を見つめる物語。

残響のテロルのレビュー・評価・感想

残響のテロル
8

なぞなぞから始まる高校生テロリストと警察のせめぎあい

『残響のテロル』は、『カウボーイ・ビバップ』で有名な渡辺監督の2014年に放映されたアニメ。

2人の謎の高校生テロリスト「スピンクス1号」と「スピンクス2号」、偶然テロに巻き込まれた高校生「リサ」、警察官「柴崎」などが爆弾テロを繰り返しながら、謎が解けていくなかでそれぞれの人間の背景がみえていきます。

最初の3話までは、疾走感に溢れていて1話の内容が見やすく仕上げられています。
アメリカの介入やファイブの存在が目立つようになってからは、物語の進みが遅くなり、1つの内容を何話もかけて進んでいくためアニメの疾走感はなくなったように感じました。
リサは良い感じで「ただの高校生」と2人の異質感をだすキャラになっていてトゥエルヴの心境の変化もみていて好感がもてます。
ファイブとナインの関係は、リサとトゥエルヴとの比較なのかとても異質で渡辺監督ワールドを一層感じさせる対比になっており、歪な関係とそれぞれの背景がみえて良かった。
アニメの減点材料としては、アメリカの介入が必要だったのかよく理解できなかった点、段々と物語のテンポが悪くなっていった点、ファイブとナインの関係があまり語られなかった点が気になってしまい、評価は8点としました。

渡辺監督の作品が好きな人は、面白いと感じる作品だとおもいます。

残響のテロル
7

変わった世界観を味わえる作品

この作品は作画から音楽まで、ぴったりと世界観にはまっている作品だと思います。現実と非現実を同時に感じるとこができ、作品に自分がどんどん引き込まれるような、一度見たら止まらない作品です。たまに違う感じのアニメを見たいひとや一日暇でなにか面白い作品が見たい人などにおすすめです。
この作品は科学実験施設から原子力爆弾が盗まれるところから始まります。そして各場所で爆弾テロが相次ぎます。これらの行為は主人公たちが起こしているのです。主人公たちが何を目的でテロを起こし、そして何を訴えたいのかそういった伏線を考えながら見れるのもこの作品のいいところでした。話数は11話で手軽に見れる作品ではあるんですが、私はもう少し物語に深みがあってもよかったと思います。主人公たちの過去、ヒロインについてのお話なんかをもっと深く知りたかったと思います。せっかくOPやEDが凝っていて、面白い作品だったのにそこだけは少し思うところがありました。ですが、大まかな物語としてはきれいにまとめられており、難しそうな作品に見えて分かりやすくスッと入っていける作品なので、見て損はしない作品だと思います。大人から子供まで見て、考えられる作品になっているのでぜひ見てほしい作品です。

残響のテロル
7

大人になれない子供達、寒い国の歌。

とある高校に男子生徒が転入してきた。名前は九重新(ここのえあらた)と、久見冬二(ひさみとうじ)。この2人の正体は半年前に起きた事件、青森県の核燃料再処理施設から「プルトニウム」を盗み出した犯人のスピンクス1号・2号だった。
全11話で構成され、ナイン/九重新とツエルブ/久見冬二が考える、なぞなぞ形式の爆破テロ予告。その爆破を食い止めようと動く、元警視庁捜査一課刑事の柴崎健次郎。転入先で出会う少女・三島リサと、物語が進むにつれて変わっていく3人の関係性。そしてアメリカ政府からFBIと共に派遣されてきた原子力科学者ハイヴはいったい何者なのか。

次はどんな爆破予告をしてくるのかと自分が刑事になったような感覚で楽しめた作品でした。どんな目的で2人はこんな行為を繰り返しているのか全く分からず、話が進んでいくと、なるほど、こういう計画だったのかと納得。
最後は、ハッピーエンドではない話でしたが、テロという今も世界で起こり続けていることが話の核にあること、世界観にマッチした楽曲も含め、今でも心に残る作品となっています。

監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子のヒット作「カウボーイビバップ」コンビが手掛ける完全オリジナルストーリー。劇中に使用された楽曲は、アイスランドでレコーディングされたそうです。