ギャングスター・ナンバー1

ギャングスター・ナンバー1

『ギャングスター・ナンバー1(原題:Gangster No. 1)』とは、2000年に公開されたイギリス映画である。1960年代のロンドンを舞台に、マルコム・マクダウェル演じるギャングスタ―の若かりし頃を回想形式で描いた犯罪映画。若かりし日のギャングスターは、ポール・ベタニーが演じる。日本では2003年に劇場公開された。

ギャングスター・ナンバー1のレビュー・評価・感想

ギャングスター・ナンバー1
10

ギャングスター・ナンバーワンは怖い愛の映画

愛にまつわる内容の作品は世界中にあります。しかしここまで常軌を逸した恐ろしいラブストーリーは世の中にないのかもしれません。
主人公であるチンピラは街の面倒事を解決したことにより大規模な組織にスカウトをされました。そこのリーダーはフレディという男のゴージャスな身なりと紳士的な態度、大らかな性格に惚れこんだチンピラは彼の姿を真似、そして彼からの愛を勝ち取るべく悪事にいそしんでいきます。しかしフレディは女性を愛し、チンピラに対して冷たくなります。元々野心の塊だったチンピラはフレディを排除し、自分が組織のボスになろうとしていきます。対抗勢力の組織にフレディを襲わせ、また襲撃が終わった後に対抗勢力のボスを殺し、全てフレディに責任をなすりつけボスになってしまうギャングスター。組織を拡大していったはいいものの、ボスとしての華と器のなさが影響して仲間からは名前を老人になっても覚えられない彼。その時彼はようやく気がついたのです。自分がやってきたことはすべてボスへの愛だったのだ。何も残されなかった自分を嘆きながら高所から自殺する主人公。どれだけ実力があっても人望がない人間は人の上に立つことはできないのです。そして、愛も相手のことを考えていないと成立しないのでした。