その世のどこか、地図にない国

その世のどこか、地図にない国

『その世のどこか、地図にない国』とは、鯛野ニッケよる漫画である。地図にない謎めいた国に足を踏み入れた主人公のシンは、美しい少年王と従者の奇妙な関係を目の当たりにする。外界から閉ざされた国の不思議な風習を、異邦人であるシンの視点から描かれている。

その世のどこか、地図にない国のレビュー・評価・感想

その世のどこか、地図にない国
10

BLマンガという枠をこえてめちゃくちゃ感動。

はじめ買った時には、BLマンガで表紙がキレイなだけで買ったのですが、読んでみたらめちゃくちゃ泣きました。
メインの登場人物全部イイです。好きということをこんなに幸せに描けるのがマンガの良さだよなと思いました。少女マンガではやたら男の立場が強かったり、なんだか女性ばかりが恋をしているような作品が多いような気がして敬遠してしまうのですが、BLマンガにはそういうことはなく、性別をこえなくてはいけない葛藤や、ピュアさがあるような作品が多い気がして、少女マンガよりもBLマンガの方が好きです。
そして、この作品では、越えなくてはいけないものがとても多いです。恋愛をしてはいけないという感情がとてつもなく大きな人たちの恋愛話。それを颯爽と救ってくれる主人公シン。恋愛がメインの話ではありつつも、一国に現れる救世主の話でもあり、シンのセリフ「生きて待て」のセリフのカッコよさにガチ惚れして泣きました。あまりにもカッコよくて本当に好きなキャラです。自分のことも好きなシンですが、人を幸せにすることはもっと好きなシンというキャクターの魅力がとても光る素晴らしい作品でした。泣けるBLオススメです。