ホース・ソルジャー

ホース・ソルジャー

『ホース・ソルジャー』とは、2018年製作のアメリカ映画。日本公開も同じく2018年の5月。監督はニコライ・フルシー。主演はクリス・ヘムズワースが務めた。舞台となるのは、アメリカ同時多発テロ事件直後のアフガニスタン戦争。この戦争の中で、馬に乗って戦い結果を出したアメリカ陸軍特殊部隊員たちがいた。本作は彼らの活躍を描いた実話である。

ホース・ソルジャーのレビュー・評価・感想

ホース・ソルジャー
4

予告から得られる期待と本編のがっかりが大きい

実話を元に作られています。
誰もが知っているアメリカ同時多発テロと、誰も知らないその裏で起きたアフガニスタン戦争の一幕。宣伝では「9.11直後の最初の戦い」「5万人vs12人」「最新鋭の武器に対して騎馬隊で反撃」等と謳われていました。

私が宣伝や予告を見て期待したのは、それこそ中世の騎馬隊が復活したかのような活躍です。しかも歴史では騎馬隊を廃した近代兵器相手に、まるで歴史を逆行するような戦いはロマンの塊です。実際予告で流れるのは、飛び交う銃弾の嵐と戦車の砲撃の中を突撃していくシーン。これは必見です。
しかし実際に予告で流れる突撃シーンのような描写は本当の最後の最後、クライマックスにラスボスを追い詰めるときだけです。
そのクライマックスまでの本編では、馬はただの「移動手段」にすぎません。
途中のドンパチに馬で駆けつけるシーンはありますが、駆け付けたら降りてしまうので普通の歩兵vs歩兵。疾走感はゼロ。突撃?一騎打ち?ない。
歩兵とて対騎兵に集団陣形を組むような概念もない。

しかも圧倒的戦力差や人数差を強調していますが、たしかに陸上戦力だけなら相手が圧倒的ですが、制空権はちゃっかりアメリカが確保していますからね。
本編の戦いとは、主人公チームが敵の正確な座標(これが敵陣営に近づかないと分からない)を空軍に連絡し、空から一方的に爆弾落として敵殲滅。以上!です。
つまり主人公チームが戦うのではなく、メインのお仕事は座標把握。その際に敵と一戦交えることもあるかもね!という、緊張感はあるけれどなんとも肩透かしな内容でした。

いつになったら騎馬隊の活躍が見られるんだろうなーと思っていたら時間が過ぎて、ようやく最後に例の突撃シーンが出てくるわけです。
もはや最後の数分間のためだけの映画と言ってもよい。
史実に基づく映画が大好きな人なら他の魅力も見つけられるでしょうが、宣伝や予告から得られるワクワクを期待していくと裏切られると思います。