未来は恋愛もアプリでするもの
人の恋心が可視化されるアプリ「ラブアラーム」。
好きな相手に近づくことで相手のアラームを鳴らすことができる「ラブアラーム」がリリースされたことにより、一変してしまった人々の恋愛スタイル。このラブアラームを中心に、主人公の恋心と葛藤が織りなす切ないラブストーリーです。
本当に好きな人のラブアラームを鳴らす日が訪れ、主人公が心から笑顔になれる日が来るのか、急展開で目が離せずどんどん読み進めてしまいました。アプリがこのストーリーの最も重要なキーですが、突拍子もない内容なので、技術的に可能かどうかと疑問に思う方もいると思います。とりあえずその点は置いておいて読み進めてみることをお勧めします。
作者の方が外国の方なので日本人には違和感のある部分も多少ありますが、それもすぐに気にならなくなるほどストーリーは最初からしっかりと練り込まれており、あっという間に引き込まれます。
セリフや間の取り方、回想シーンなどひとつひとつが丁寧で主人公の気持ちが痛いほど伝わってきて、一緒に一喜一憂してしまいます。
人の心はいつも変わらず難解で、恋は時に怖いほどの幸せに満ち溢れている。その一方で胸が締め付けられるほど切なく苦しいものなのだと、恋愛をアプリで管理する世界であってもそれは変わらないのだとよく分かる作品です。