お遊び映画です
この映画は、小松左京の名作「日本沈没」をパロディ化した筒井康隆の小説を映画化したものです。
明らかにお遊びで作られた映画なので、全体的にチープかつ安っぽい箇所が目立ちます。物語の設定もガバガバな部分も多いです。
ストーリーとしては、911テロから10年後、南北アメリカ大陸が突如として1週間で海に沈没。世界中に難民が避難し、同盟国である日本にもハリウッド俳優などが避難してきました。
ところが、その騒動が止まない内に、ユーラシア大陸が中国方面から沈没、続いてヨーロッパが沈没した。その次にはアフリカ大陸、翌日にはオーストラリア大陸が沈没し、ついに世界は日本列島だけが残ってしまったのです。
国内の人口は5倍に増え、うまい棒が20万にもなるほど食料価格は高騰。ドルやユーロは暴落し、トップレベルの生活を送っていたハリウッドスターも瞬く間に貧困層になり、その貧困層が路上にあぶれるなどの問題が多発する中での日本の動きが描かれます。
一方、一躍特権階級となった日本人の島国根性丸だしな部分が次第に露になり、外国人に対する排他的な法律が施行されることになるのです。
この映画の無駄に凄いところは、一見B級映画なのに俳優が無駄に豪華であるところです。
田所博士を演じる寺田農(同時公開の日本沈没出演依頼を断ってまで出たとか)、内閣総理大臣を演じる村野武範、防衛庁長官を演じる藤岡弘、など出てくる映画を間違えたのではないか、という方々が出演されています。
また、原作者の筒井康隆も出演されています。
何度も言いますが、この映画はあくまでもお遊び映画です。過剰な期待はせず、テキトーに楽しむのが良いかと思います。