挫折と苦難の先で掴んだ光…「X」それは無限の可能性。
現在定期的にワールドツアーを敢行するなど、精力的に活動を続ける、日本が世界に誇るロックバンド・X JAPAN。しかし、その道のりは決して平坦なものではなく、挫折と苦難の連続であった。
「WE ARE X」は、リーダーでありX JAPANのほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がけるYOSHIKIの視点を中心に、2014年に「ロックの殿堂」の1つと言われるニューヨーク・マディソンスクエアガーデンで開催されたライブが成功するまでを追ったドキュメンタリー映画。ついに念願の世界進出を果たした彼らだったが、そこにたどり着くまでにはYOSHIKIの父の自殺、X JAPANを心から愛し、母親的な存在だったHIDEの急逝、初期ベーシストTAIJIの死、ボーカリストTOSHIの死、そして1997年のX JAPANの解散…と、想像を絶する挫折と苦悩の連続だった。しかしある日YOSHIKIに転機が訪れる。それは天皇陛下即位10周年を記念した奉祝曲の作曲の依頼だった。壊れかけた心を奮い立たせ、作曲した奉祝曲「Anniversary」を国民祭典の場で演奏し、YOSHIKIは「ステージこそ僕の立つ場所だ」と気持ちを新たにする。
そしてボーカリストであり、親友のTOSHIとの奇跡の再会の時が訪れる。10年近く口をきくこともなかった二人を繋いだのは、YOSHIKIが亡きHIDEを想い作曲した楽曲「Without You」だった。
奇跡の曲が二人を再会させた時、止まっていたX JAPANの時計が、再び動き出した。
挫折と苦悩からの再生の物語…YOSHIKIは語る。「過去を明るいものにするか、とても暗いものにするかは、未来が決める」と。
これはX JAPANの物語であり、現代に生きる全ての人々の物語でもあるのだ。