PK

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『PK』は2014年に公開されたインドのSFコメディ映画。監督はラージクマール・ヒラーニ、主演はアーミル・カーン。地球の調査を目的としてやってきた宇宙人が、地球の宗教の信条や迷信に疑問を投げかけるという内容で、コメディを描きつつも差別や偏見など世界中で巻き起こっている社会問題に切り込んでいる。
本作はインド映画の全世界歴代最高興行収入を記録。日本では第9回したまちコメディ映画祭で特別招待作品として上映された。

PKのレビュー・評価・感想

PK
10

ボリウッド産鉄板コメディ!PK

インド映画、俗にいうボリウッドといえば、よくわからないタイミングで歌って踊りはじめ、結局ほとんどの時間歌って踊って、どの映画を見てもだいたい同じような展開、というのが今までのイメージでした。でもこのPKは、歌って踊るだけでは終わりません!
軽ーいタッチで描かれる意外と深い物語にいつのまにかのめり込んでしまいます。宇宙から地球の調査にやってきたら帰れなくなってしまった男と、大失恋を経験した地球人の女が、様々なかみ合わない会話を乗り越え、友情を育んでいく。
設定もかなりぶっ飛んでいますが、この宇宙からやってきた男が宇宙人目線で私たちに投げかけてくる疑問の数々がおもしろい。言われてみれば確かに…と思ってしまうけれど、明確には答えてあげられない疑問、それはつまり「常識」のこと。いつのまにかそういうふうに決まったからそのようにしている私たちの常識は、本当は時代とともに更新していかなければいけないのかもしれません。この映画で宇宙人の男が気にしている疑問は、主に世界の宗教についてですが、肩肘張らなくても大丈夫です。宗教にあまりなじみが無い人ほど、宇宙人目線の世界に共感できると思います。
コメディーでミュージカルで、主人公は宇宙人なのにそんな深いことまで考えさせられてしまう不思議な映画です。もちろん全力でハッピーエンド。仕事に疲れた夜に見るのにピッタリです。
ちなみに、宇宙人役を演じているアーミル・カーンさんはインドでは三大カーンと言われているほど人気のある俳優さんなんだそうです。おじさんだし宇宙人役なのに、バキバキに鍛えてます。インド人俳優の肉体美もこっそり見どころです。