彩子 黒 / Saiko Kuro

彩子 黒 / Saiko Kuro

『彩子 黒』は『月刊少年チャンピオン』で連載された本田真吾によるホラー漫画。どんな質問にもAIの彩子が答えてくれるというスマホアプリ「SAiKO」を都合よく利用した人たちが次々と不可解な死を遂げていくという内容だ。SNSという身近なものを取り扱った作品で、話題を呼んだ。
その後『月刊少年チャンピオン』で前日譚となる『彩子 白』が連載。『彩子 黒』の派生作品として『その男、SAiKOにつき』が連載された。

彩子 黒 / Saiko Kuroのレビュー・評価・感想

彩子 黒 / Saiko Kuro
10

SNSをベースとした近代ホラー

SNSをベースとした近代ホラーです。簡単にあらすじを説明すると、的確なアドバイスをくれる天才AIが入っているsaikoというアプリにとりついた怨霊・彩子が、saikoをインストールして使用しているユーザー(主に女子高生)を殺していくという物語です。主人公はこの呪いから逃れるために男子高校生(不良)と立ち向かって行きます。
このsaikoというアプリは、監視カメラを覗いたり、そのカメラを止めたりと、ありえない力を持っているアプリ。ちょっとその設定には不思議に思う事があるかもしれませんが、まあ本質はホラーなのでそこはスルー。ホラー物としては絵柄も綺麗で恐怖はよく伝わってきます。問題は絵が上手すぎて作中に何度かグロいシーン(目に鉄柱が刺さったり、エスカレーターに巻き込まれるなど)があるのですが、そのグロさが際立っており、グロ耐性のない方にはちょっとキツイと思います。この辺は作者の代表作、ハカイジュウで読み慣れている人は大丈夫だと思いますが、そうでない方はちょっと注意が必要です。
とはいえ、このグロさもこの作品の見どころだと思います。ちなみにこの物語のスピンオフ作品として「彩子白」という作品があります。これは彩子黒に出てくる化け物がどうやって誕生したかが描かれています。この作品を読んで面白いと思った方は白の方も読んでみる事をお勧めします。