キョンシー/殭屍 / リゴル・モルティス/死後硬直 / Rigor Mortis

キョンシー/殭屍 / リゴル・モルティス/死後硬直 / Rigor Mortis

『キョンシー』は2013年に公開された香港映画。監督は香港のアーティスト、ジュノ・マック。香港映画『霊幻道士』をダーク・ホラーとしてリブートした作品である。そのため『霊幻道士』シリーズに出演した俳優が数多く出演する、主題歌に『霊幻道士』の挿入歌『鬼新娘』が使われるなど、様々な場面で『霊幻道士』のオマージュ要素がちりばめられている。
日本では、2013年の第26回東京国際映画祭で『リゴル・モルティス/死後硬直』の邦題で公開された。
霊幻道士役のアクションスターとして名を馳せたチン・シュウホウが、道士ヤウの力を借りてキョンシーと死闘を繰り広げる内容となっている。

キョンシー/殭屍 / リゴル・モルティス/死後硬直 / Rigor Mortisのレビュー・評価・感想

キョンシー/殭屍 / リゴル・モルティス/死後硬直 / Rigor Mortis
9

あのキョンシーとは別物です。

若い世代の方はご存知ないかも知れませんが、世間で知られているキョンシーとは全然違う存在に、まずは驚かされました。
道士様がいて、死者が生き返るというような部分では、キョンシーになるのかも知れませんが、黒魔術で死者を蘇らせるというのか、ゾンビに近いような、そんな映画に私はみえました。
最愛の人を亡くし、それでもずっと一緒にいたいという気持ちはわからなくもありません。ですが、決して術を施して蘇らせたとしても、それは生き返ったということではなく、生前とは違う人になってしまうということ。それでも最愛の人だからと、わかっていても一緒にいたいという気持ちの苦しさ。
ただ、幽霊なのか実在している人なのかがはっきりしない存在も出てきて、よく分からない部分もあります。幻覚なのか、幽霊なのか、実在しているのか。でも、その存在があってこそのホラー映画です。
ホラー映画独特の一人で逃げ道のない場所へ逃げて殺されるというものとは違った観点からの内容となっており、ホラー好きには凄く楽しめる映画でした。
これは、両手を突き出してお札をおでこに貼り、ピョンピョン跳ぶキョンシーとは全く別物のキョンシーという名の化け物のお話です。

キョンシー/殭屍 / リゴル・モルティス/死後硬直 / Rigor Mortis
4

2014年版のキョンシー

キョンシーの現代版リブート作品です。

過去作の子役が活躍してキョンシーをバッサバッサ倒す愉快なストーリーではなく、落ちぶれた俳優のおっさんが主役の始終陰鬱としたムードが漂うホラースリラーな作品です。

俳優のおっさんが人生に疲れちゃって、死に場所求めて団地に引っ越して来るのですが、団地内で怪異現象に出くわし、各種のホラーキャラ(キョンシーや貞子風な幽霊等)とのバトルを開始します。バトルシーンも陰鬱な雰囲気を醸しつつも映像美が美しく、カンフーアクションもカッコいいので途中までは割とドキドキしながら見れるのですが、後半になるにつれてイヤな予感がよぎり出します。
後半はそのイヤな予感が見事的中する事になり「なんだよこのオチは?今までの視聴時間を返してくれよ!どうゆう事なんだ!?」と心の中で叫ぶ事になりました。

オチで全てを台無しにしている様な気がしています。素直にハッピーエンドに出来ない、譲れない思いが制作陣の中にあったのでしょうか。
途中まではとても面白く視聴出来たので、最後が少し残念に思いました。

過去作のキョンシーをイメージしてこの作品を見ようとしている方はかなり印象が違うので、気を付けて下さい。