大切なことを教えてくれる隠された名作ギャルゲー
パワポケはパワプロの姉妹ソフト、DSソフトであります。パワポケはサクセスをメインとして独自の世界観が作り上げています。
なので、パワプロをプレイしてきた人の野球をするという認識はひとまず捨てて、練習をほどほどに主に遊びまくる感覚でやった方がこの作品の魅力がわかります。
そして内容の方も、とても2頭身キャラクターがやるような話でなく、鬱、ブラックネタ、死亡、そして大恋愛など多くの内容が含まれております。
このパワポケ13で具体的なキャラをあげますと、雨崎チハヤというキャラ。
彼女は主人公ことパワポケ君(仮名)の親友雨崎ユウキの義理の妹で、パワポケ君とも幼なじみ。成績は高校入試は全教科満点、スポーツも万能で複数の部活の助っ人もこなす才色兼備の人間です。性格は少し小悪魔気質があり、パワポケ君をからかうことをしばしば。
しかし、そんな彼女は生まれつきテロメアに異常を抱えており、自分の余命が短いことを知っており、作中の発言でも彼女の「時間がほしい」「自分がいた証がほしい」などの言葉が深くささります。
彼女はルートを進むとエンディングとしては複数存在しており、主に衝撃を受けるのが死亡ルートです。彼女が闘病生活の中、日が進むにつれて衰弱しているが、パワポケ君の前ではいつもの調子で明るく振る舞う彼女。パワポケ君は「甲子園で優勝する」と彼女と約束し、そして、パワポケ君は甲子園での戦い終えて帰ってくると、ユウキから「チハヤが亡くなった」と連絡がきます。
その後、エピローグにてパワポケ君とユウキの二人がチハヤの仏壇に立ち、そこに流れてくるモノローグの言葉がこれだ。「子供は死を理解していない。人間が死ぬということを知っていてもそれがどういうことかわかっていない。なんとなく自分も周りの人たちもいつまでも生きていると思っている。そんな子供たちも、親しい人を失っていくうちに、理解していくことになる。永遠などなかったのだ、いうことを」と。
人の成長と同時にいつから芽生えてくる死生感というもの。限りある命を以て、恋をした少女と、同時に残されたものの心情が同時に深く刻まれます。
このようにパワポケはただ野球をやるのでなく、彼女と過ごすことで物語があり、同時に人として何か大切なものを学んでいくものがある作品です。
この他にも様々なルートが存在し、それはまたパワポケの独自の世界観を描かれたものなので、ぜひプレイして自分の目で確かめてほしいです!