Caligula -カリギュラ- / The Caligula Effect / Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ- / The Caligula Effect: Overdose

Caligula -カリギュラ- / The Caligula Effect / Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ- / The Caligula Effect: Overdose

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

Caligula -カリギュラ- / The Caligula Effect / Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ- / The Caligula Effect: Overdoseのレビュー・評価・感想

Caligula -カリギュラ- / The Caligula Effect / Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ- / The Caligula Effect: Overdose
7

正しさなんて誰も求めていない人たちがメインのゲーム

登場人物は、全員現実が辛くて、メビウスというバーチャルアイドルが作った仮想空間に落ちてきます。主人公たち帰宅部は、メビウスから脱出するために現実に帰宅するというゲームです。
switch版では、味方のメンバーの視点のみから見て脱出、敵側の視点を知った上での脱出、敵側に寝返る、の3つの分岐があります。主人公たちが現実に帰りたい側の人たちなので、敵側はメビウスにいつづけたい人たち、つまり現実に帰りたくない人たちの集まりです。主人公はゲームを進めていくなかで、登場人物たちがなぜ帰りたいのか、なぜ帰りたくないかを知っていきます。
敵側の視点を一切見ないルートの話をします。このルートでしか見られない琵琶坂という人物のエピソードがあります。すべてのルートをクリアした上で言いますが、これでもいいと思えました。公式ではどうも琵琶坂がいないルートの方が、ハッピーエンドぽく描いていることの反発でしょうか。彼が現実に帰らなければ万事解決という流れが飲み込めなくて、彼が現実に帰る、このルートも良いと思えました。
続いて敵側の視点を知った上での脱出ルートの話です。このルートでも琵琶坂が現実に帰ることができますが、敵側の視点を一切見ないルートより後味が悪いです。味方側からもあからさまに嫌われています。現実に戻った後でもあいつの顔なんて見なくてすむから別に良いと言われてしまいます。
寝返るルートは、ゲーム上の分岐で作ったというだけという印象です。バッドエンドです。現実もメビウスも崩壊してしまいます。

Caligula -カリギュラ- / The Caligula Effect / Caligula Overdose -カリギュラ オーバードーズ- / The Caligula Effect: Overdose
7

戦闘もミュージックも新感覚のRPG

このゲームは現実世界モチーフの異世界の学園を舞台にしたRPGです。今回は戦闘時の操作面とBGMついてレビューします。
戦闘時についてですが、RPGということで、各キャラクターに指示し、攻撃や支援を行うという、よくあるコマンド方式です。このゲーム特別なところは、その行動を指示することで、自分のキャラや敵がどう動くのかをあらかじめシミュレーションすることが出来るという点です。これによって、例えば「はじめは攻撃をさせようと思ったが、相手も攻撃を行ってきそうなので、避けさせてから攻撃を行うように指示する」といった戦略的なコマンドの組み立てが出来るようになります。そのため、このゲームはじっくりとシミュレーションを重ねた上でどの行動をとるのが考えるのが好きな人にピッタリだと思います。
ミュージック面では、フィールドで流れているBGMに、戦闘開始時にボーカルがシームレスに入っていくようになっているので、RPGながら探索と戦闘の間に隔たりが少なく感じられます。また、使用されているボーカル付きBGMには、有名な方が作曲されているようです。自分は詳しくないので正確な表現ではないかもしれませんが、ボカロのPという作曲者?の方たちがゲーム内で流れる多くの曲を作っているので、ボカロ好き方はBGM目当てでも楽しめるかと思います。
戦闘、ミュージック共に他のゲームではあまり見たことの無いシステムだったので、新鮮な感覚で楽しむことが出来ました。