ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター / ドラクォ / Breath of Fire V: Dragon Quarter

ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター / ドラクォ / Breath of Fire V: Dragon Quarter

『ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター』とは2002年11月にカプコンより発売されたRPGである。『ブレス オブ ファイアシリーズ』の5作目にあたり、キャッチコピーは「そらをみにいく」。前作までの王道的RPGから世界観やゲームシステムを大幅にリニューアルし新基軸に挑んでいる。災厄により人々が地上を離れ地下都市で暮らす時代、警備部隊であるレンジャーに所属するリュウは親友のボッシュとの任務の中で謎の少女ニーナと出会う。地下都市では生きる事ができない彼女を救う為にリュウは空のある地上を目指す。

ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター / ドラクォ / Breath of Fire V: Dragon Quarterのレビュー・評価・感想

ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター / ドラクォ / Breath of Fire V: Dragon Quarter
8

ワゴンの中の名作『ブレスオブファイアV ドラゴンクォーター』

難解、という程では無いにしろ、やや説明不足のきらいがあるシステム面。
特にシステムを理解していないプレイヤーにとっては、果てしなく強く感じる敵。
事実上の時間制限付き。先の見えない中、その時間制限と引き換えに無敵の力をいつ行使すべきか。
そして、暗い色彩に彩られた地下世界。

その難易度の高さ故、2002年の発売当時には投げ出したプレイヤーも数多く居たと聞く。
そして並べられた先は安売りのワゴンの中、というわけだ。

しかし理解さえすれば、実によく練られたシステム面。
システムさえ上手く活用すれば、戦闘とて実はそんなに鬼畜な難易度ではない。
そしてひたすらに抑圧的、暗い色彩の地下世界。
様々なシステム面の枷を付けられたプレイヤーに対するカタルシスとして作用する、エンディング。
それに導くまでのシナリオの完成度。

とはいえ販売当時、2002年のインターネット等の普及具合を考えれば、決して不当な評価とは言えないだろう。
ワゴンに送られるべくして送られたゲーム。
極めて難易度の高く、楽しめないゲーム。
ただの石ころのようで、何の価値も無い。

しかしながらその魅力に魅せられた一部の人間にとってみれば、まさしく宝石。
思い出として深く刻まれるゲームの一つである事に違いはない。

ブレス オブ ファイアV ドラゴンクォーター / ドラクォ / Breath of Fire V: Dragon Quarter
8

人を選ぶがハマれば最高のゲーム

それまでのブレスオブファイアシリーズとは一線を画す作風で、良い意味でも悪い意味でも話題になった作品です。
セーブにレアアイテムが必要だったり、コンティニュー前提のゲームデザインだったりと、とにかく変わったシステムをしています。
最初は戸惑い慣れるまで大変です。特に戦闘システムにクセがあり、理解するまでに時間がかかります。そして、システムを理解しているかしていないかで難易度に雲泥の差が出てきます。理解していないと、鬼のような難易度です。理解していても、常時油断できません。
普通のRPGだと思って何も考えずプレイすると一発でゲームオーバーになります。(コンティニューするのが前提の作品なのでそれでいいとも言えるのですが)。何度もゲームオーバーになるのが嫌で離れていく人もいると思います。しかし、慣れてくるとクセになります。
最初は理不尽なだけに思えたシステムが実はストーリーとものすごくマッチしていることに気づいたときには、感動すら覚えるはずです。
また、エンディングが実に良いです。ストーリーはひとりの女の子を救うために地下から地上を目指す、というものですが、とても暗く、鬱屈した展開が続きます。
しかし、エンディングではそれまでの鬱屈さをすべて昇華してくれる素晴らしい内容になっています。ぜひ実際にプレイして自力でクリアしてその目で確かめてほしいです。
変わったシステムと難易度で非常に人を選ぶゲームだと思いますが、私は大好きです。
気になった方はぜひプレイしてみてほしいです。大変ですが、それに見合った感動が待っていますよ。