仮面ライダークウガ / Kamen Rider Kuuga

仮面ライダークウガ / Kamen Rider Kuuga

『仮面ライダークウガ』とは2000年1月よりテレビ朝日系で放送された特撮テレビドラマ作品で、平成『仮面ライダー』シリーズ第1作である。超古代の戦闘種族グロンギは長き封印から蘇り、人間に対して“殺人ゲーム”を繰り返す。若き冒険家・五代雄介は、超古代の遺跡から発掘されたベルトの意思に導かれて戦士クウガに変身し、人々の笑顔を守るために熾烈な戦いにその身を投じてゆく。仮面ライダーと警察の連携や、怪人による生々しい殺人描写など従来のヒーロー番組にはなかったリアリティを追求した内容が特徴。

仮面ライダークウガ / Kamen Rider Kuugaのレビュー・評価・感想

仮面ライダークウガ / Kamen Rider Kuuga
10

仮面ライダー史に残すべき名作!

昔の仮面ライダーを見て子供のころに疑問を持った人も居るのではないだろうか?
「変身した途端、なぜ人気のないところに移るのか?」
「なぜジャンプして蹴りを出すのか?」
「なぜ強い怪人が一斉に出てこないのか?」

そんな疑問に整合性を与えつつ、ご都合主義のストーリー展開ではなく、
大人の視聴に耐えうる『仮面ライダー』として作られたのが『仮面ライダークウガ』という作品だ。

平成仮面ライダーシリーズの第一弾として知られる作品で、すでに過去の作品になってしまったが、
出てくるパソコンや携帯などのガジェットの古臭さを除けば、未だに大人を満足させうる作品といえるだろう。

一つ難点を上げるとすれば、ライダーが流血したり、怪人たちが人を殺しまくるので、人によっては嫌悪感を覚えるかもしれない点である。
ただ、これは、安易に刺激的な描写をしているわけではない。
これはこの作品のテーマにもかかわることだが、暴力によって解決することは決してかっこいい事ではないという制作側の意図がひしひしと感じられるのだ。

玩具を売ることが目的の子供番組でありながら、子供の周りに楽しいことが在り過ぎる事にドラマの中で疑問を呈するようなシーンなどもあり、
非常にメッセージ性が高く、スタッフの気合と気概を感じさせる。

また、「ライダー」の名に恥じないバイクアクションも必見である。
このシーンのためにバイクトライアルの選手を使って撮影するという気合の入れようだ。
バイクが登場した当初は、トライアル競技とアクションの折り合いが付けきれていないようなまどろっこしさも多少あるが、
シリーズの中盤あたりのバイクVSバイクのアクションは、仮面ライダー史に残る名シーンといえるだろう。

残酷なシーンも多いので、子供一人で見させておくには不安が残るが、だからこそ大人の視聴にも耐えうる作品となっているのだろう。
親子で見て、感じたことを話し合ってほしい稀有な特撮作品である。