マンガ好き必読! すべてのオタクたちに捧げられた名作漫画「アオイホノオ」
今回紹介するのは小学館で連載中の大人気漫画「アオイホノオ」。
本作は80年代の大阪芸術大学を舞台に、漫画家を志す青年・焔 燃(ホノオ モユル)がその夢を実現させるまでの物語が描かれています。
「この物語はフィクションである」という体裁こそとられていますが、実際には島本先生が自身の大学生活を題材とした「ほぼノンフィクション」の作品です。そのため、作中には当時連載されていた漫画や放送されていたアニメの話がてんこ盛り。当時を知る古参のオタクたちにはもちろん、日本のサブカルチャーが最もディープで熱量のあった時代を体験したい若きオタクたちにも刺さる内容となっています。
また、本作は主人公である焔燃の物語と並行し、のちに「新世紀エヴァンゲリオン」を作り上げることになる庵野秀明たちが自らの会社「ガイナックス」を立ち上げるまでの経緯が描かれており、これまた全世代のオタクたち必見の内容となっています。
しかし、本作最大の魅力は「80年代のオタク生活を体験できる」ことではありません。この漫画は、すべてのオタクたちに捧げられた漫画であると同時に、すべての夢を追う若者たちに捧げられた漫画でもあるのです。
焔燃は物語が始まった時点では何の実績もなく、才能があるかどうかも定かではなく、「漫画が好き」というだけでこの険しい業界に足を踏み入れたただの若者です。そんな彼が、自分の持つ熱さと勢いだけで往年の名作たちに立ち向かい、時に挫折を味わいながらも夢を失わずに進み続けるその姿こそが、この漫画の本当の面白さです。
時に滑稽で、時に痛々しく、笑いをこらえきれない痛快な語り口で描かれる本作。漫画・アニメ好きのオタクたちはもちろん、情熱だけで険しき世界に足を踏み入れた夢を追うすべての人たちに読んでもらいたい作品です。