天賀井さんは案外ふつう

天賀井さんは案外ふつう

『天賀井さんは案外ふつう』は2015年から2017年にかけて『月刊少年ガンガン』で連載された原作・城平京、作画・水野英多による漫画。城平京にとっては『月刊少年ガンガン』3作目の連載作品にあたる。
日本のおとぎ話を中心にした推理ものであり、かつて2匹の化け物が住んでいた伝説が残る常伊市を舞台に、主人公の天賀井悠子(てんがいゆうこ)が座敷牢に入る兄のために10年前に起きた撲殺事件の真相を解明していく。
単行本は全4巻が発売された。

天賀井さんは案外ふつうのレビュー・評価・感想

天賀井さんは案外ふつう
9

普通の基準は人それぞれ

推理小説家「城平京」原作、作画を「水野英多」が務めた漫画。
この二人の有名作といえば「スパイラル~推理の絆~」だが、今回は天賀井さんという女の子が主役を務める作品「天賀井さんは案外ふつう」を紹介しようと思う。

案外ふつう、というタイトルからして何か普通じゃない部分があるのだろうなと察しがつくだろうが、まさしくその通り。
見た目は眼鏡をかけた可愛い女の子だが、天賀井さんは普通じゃない。
だがそんな天賀井さんを上回るくらい普通じゃない人達や出来事がこの物語には登場するのだ。

ひょんなことから会話をするようになったクラスメイトの真木くんや実家の座敷牢に入っている天賀井さんの兄。
そんな彼らを取り巻く環境、状況、人、ありとあらゆることが普通じゃない。
普通じゃない天賀井さんを普通と思わせるくらい普通とはかけ離れているのである。

原作者の城平京は「日常系伝奇コメディ」を目指して作ったらしく、その名の通り戦闘や暴力はほとんどない、ほのぼのとした雰囲気漂わせる漫画である。
確かな画力を持つ水野英多のコメディタッチな絵柄も存分に楽しめるものになっている。

作品は全4巻で完結しており3000円あればおつりも貰え物語も堪能できる。
今からでも遅くない。
彼らの決断と行く末を見守ろうではないか。