思春期の闇を描く『惡の華』
押見修造著の漫画『惡の華』がとても面白い作品なので、ネタバレありでレビューしたいと思います。
主人公の春日くんは、思いを寄せる美人で人気なクラスメート佐伯さんの体操服を盗んでしまいます。その盗んでしまう場面を、クラス1の変人ぼっち仲村さんに見られてしまい、仲村さんは春日くんに「変態行為」を迫るようになります。
この漫画、実は春日くんを通して仲村さんと佐伯さんの女の闘いが繰り広げられる壮絶な物語なんです。
春日くんに、盗んだ佐伯さんの体操服を無理やり着せる、クラスメートの女子の下着を盗ませる等の変態行為を強要して自分の気持ちをぶつける仲村さん。
そんな仲村さんを許してあげる発言をしたり、春日くんや仲村さんを庇うような行為を打算的に行ってジリジリと仲村さんに詰め寄る佐伯さん。
漫画の内容は正直なところ本当にぶっ飛んでると思います。人によってはあまりいい気分にはならないでしょう。
でも惡の華には、昔とは違う現代の子特有の「思春期」に対する悩みや葛藤が少し極端ではありますが描かれてると思います。
人は成長家庭で親元から学校に行き、学校で集団生活を学びますが、集団生活というのは=ヒエラルキーと同等でまだそのヒエラルキーを受け入れられない若者は悩みます。
この漫画では明らかに佐伯さん>春日くん≧仲村さんというクラスでのヒエラルキーがありながら、自分になびかない春日くんを意地でも手にいれたい佐伯さんと、ざまぁみろと風を吹かせている仲村さんの闘いの構図なのです。
ご興味のある方はぜひ読んでいただきたいです。