英国王のスピーチ / The King's Speech

英国王のスピーチ / The King's Speech

幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることが苦手だった英国王ジョージ6世。言語療法士のライオネルは独自の練習法で彼に自信をつけさせていく。コンプレックスを克服し王として成長していくジョージ6世の姿と、ライオネルとの身分を超えた友情を、史実に基づいて描いた歴史ドラマ。
第83回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞の4部門を受賞。監督はトム・フーパー。

英国王のスピーチ / The King's Speechのレビュー・評価・感想

英国王のスピーチ / The King's Speech
9

感動したい方にオススメ!

この映画は、イギリスの王室の仕事や生活を描いているが、一点、この作品には特徴的な点がある。それは、主人公である国王が吃音であるということだ。彼は吃音のためうまくスピーチが出来ず、四苦八苦するが、型破りな吃音専門の治療者とともに練習を積み重ねることで、最後には良いスピーチを行えるようになるという話だ。
この作品を観てとても感動した点が二つある。一つは、家族愛だ。主人公の妻は、主人公が吃音でうまく演説ができず、取り乱している時でもずっと支え続けていた。彼女がただもうひたすらに夫である主人公のことを信じ続けている姿には感じるものがあった。もう一つは、主人公がハンディキャップを乗り切り、最後のスピーチを成功させるシーンだ。彼は、父親の死や、突然の王位継承、そして、吃音によってうまく話せないことによって、かなりの精神的なプレッシャーがかかっていた。そのため、しばしば途中で取り乱したり、治療者にひどいことを言ってしまったりもしたが、彼自身にできることをコツコツと積み重ねていって、それが最後のシーンで実を結んだのである。私は映画を見るときはあまり感動して泣くことはないのだが、このシーンを見たときは思わず"うるっ"と来てしまった。何か感動的な映画を見たい!と思っている人にオススメだ。