車輪の国、向日葵の少女 / Sharin no Kuni: The Girl Among the Sunflowers

車輪の国、向日葵の少女 / Sharin no Kuni: The Girl Among the Sunflowers

『車輪の国、向日葵の少女』は、あかべぇそふとつぅが2005年11月25日に発売したPCゲーム、およびそれを原作としたコンシューマー版である。舞台は日本とよく似た架空の国。主人公の森田健一が、様々な義務を背負う少女と出会い、その義務を更生させる人物「特別高等人」を目指していく。物語のテーマは「人間」「社会」。

車輪の国、向日葵の少女 / Sharin no Kuni: The Girl Among the Sunflowersのレビュー・評価・感想

車輪の国、向日葵の少女 / Sharin no Kuni: The Girl Among the Sunflowers
10

義務を背負った少女達のヒューマンドラマ

この作品はPS3で発売されているノベルゲームになります。
主人公は特別高等人と呼ばれる罪人を矯正する職業を目指すため、最終試験に臨むことになります。最終試験の内容とは罪を犯し「義務」を与えられた少女達を無事に更生させることでした。この義務には「1日を8時間しか起きていられない義務」、「母親に絶対服従しなくてはならない義務」、「異性に触れてはいけない義務」などがあります。
この作品はこの特別高等人と義務の存在によって「完全に管理されている社会になってしまったらどうなるのか」ということを訴えてきているように感じました。また少女達が主人公と触れ合うことで義務を乗り越え人間として成長していく過程にとても感動させられました。全体的に社会のあり方であったり、人間の生き方そのものを問うてくるような内容になっているためプレイしていてとても感情移入することができました。
一番の見所はラストシーンの少女による演説です。トラウマから他人とあまり関わらなくなってしまった少女が主人公との触れ合いを経て変わっていったことを実感させられて、とても感慨深いシーンでした。とてもメッセージ性が強く、感動できる内容になっているので是非オススメです。