銀と金 / Gin to Kin

銀と金 / Gin to Kin

『銀と金』(ぎんときん)とは、1992年~1996年に『アクションピザッツ』(双葉社)において連載された福本伸行による漫画、及びそれを原作とするテレビドラマ、Vシネマである。銀王と呼ばれる裏経済界を牛耳る男・平井銀二との出会いをきっかけに裏社会に飛び込んだ森田鉄雄。株の仕手戦や巨額なギャンブルなど、バブル崩壊後の時代にうごめく闇の金脈を求めて繰り広げられる彼らの命を賭けたマネーウォーズが描かれる。

銀と金 / Gin to Kinのレビュー・評価・感想

銀と金 / Gin to Kin
9

勝負師の生き様を刮目せよ!

ギャンブル中毒だった無一文の主人公、森田鉄雄は競馬場で裏社会のドン・平井銀二に出会う。
銀二の才覚・カリスマ性に感化された鉄雄は、悪党が暗躍する裏社会で生きていく決意をする。銀二は裏社会での様々な駆け引きや死闘を通して成長していく森田鉄雄を後継者にするべく期待と信頼を抱くも、ある出来事をきっかけに二人は別々の道を歩む。

頭脳戦が特徴的な本作ですが、漫画バージョンで印象に残る回があります。
それは伝説の仕手戦の後、暴力団がらみの仕事で対峙する羽目になった殺人鬼・有賀研二との死闘です。狂気的な殺人能力を誇る有賀は、自身の監視人を次々と殺害し、森田はただ一人密室で有賀と戦うことになるのですが、これがなかなかの迫力。森田は類まれな発想でなんとか有賀の刃を躱し、最終的に銀二に救われるのですが、これは素晴らしい手に汗握るアクション回でした。

森田初の大仕事は株の「仕手戦」で、本作の代表回と言っても過言ではないでしょう。
森田らは日本旭の株をめぐる仕手戦に参戦することになりました。そんな中、銀二たちは仕手戦の最中、暴力団により拉致されてしまう。
逃げおおせた森田は銀二たちの救出を画策。伊沢と面会・交渉の末、銀二らは解放されました。しかし実際は銀二の説得により協働で日本旭を「喰う」体制を築くことに成功したことによるもので、森田の救出作戦は徒労に終わったと思われたが、伊沢に渡したはずの密会テープはカセットデッキを二台使った森田のトリックにより手元に残していました。株で得た金の他に、大物政治家の弱みにつながる物証を手元に残すという大成功のもと仕手戦は幕を閉じました。

銀と金 / Gin to Kin
8

伝説の福本作品『銀と金』

ギャンブル中毒だった無一文の主人公、森田鉄雄は競馬場で裏社会のドン・平井銀二に出会う。銀二の才覚・カリスマ性に感化された鉄雄は、悪党が暗躍する裏社会で生きていく決意をする。銀二は裏社会での様々な駆け引きや死闘を通して成長していく森田鉄雄を後継者にするべく期待と信頼を抱くも、ある出来事をきっかけに二人は別々の道を歩む。勝敗に関わる駆け引きがストーリー随所に現れる本作。
例えば、最初に銀二が森田を相棒として相応しいか確かめる為に森田に課した問いがあります。「5000万円で人を殺してほしい」。性悪説を肯定するかのような銀二の誘いを森田は最終的に断るのですが、このような心理的描写が複数現れます。
のちの、画商・中条との戦いでは絵画の目利き勝負を挑み、札束で「金の橋」を作る名場面ですが、この回でも巧みな作戦で中条の目を欺きました。頭脳戦が特徴的な本作ですが、漫画バージョンで印象に残る回があります。それは伝説の仕手戦の後、暴力団がらみの仕事で対峙する羽目になった殺人鬼・有賀研二との死闘です。狂気的な殺人能力を誇る有賀は自身の監視人を次々と殺害し、森田はただ一人密室で有賀と戦うことになるのですが、これがなかなかの迫力。森田は類まれな発想でなんとか有賀の刃を躱し、最終的に銀二に救われるのですが、これは素晴らしい手に汗握るアクション回でした。