虹色デイズ / Rainbow Days

虹色デイズ / Rainbow Days

原作は水野美波。集英社の別冊マーガレットに2012年2月号~2017年4月号まで連載。
喜怒哀楽がすぐ出てしまう主人公・夏樹は時々乙女チックな妄想をする妄想男子。女好きで若干シスコンの智也。さわやかなサディスティックの恵一。頭脳明晰だが照れ屋のオタクメガネの剛。
この4人を軸に高校生の淡い恋愛や友情、進路に伴う成長、少しバカっぽい日常をコメディタッチで描いた作品。

虹色デイズ / Rainbow Daysのレビュー・評価・感想

虹色デイズ / Rainbow Days
9

主人公は男子高校生の少女漫画? 新しさあり、共感あり! ドタバタ青春ストーリー

仲良しの男子高校生4人が織りなす、青春ストーリー。

通常の少女漫画であれば女子が主人公であるにも関わらず、男子高校生(しかも4人!)を主人公にした切り口が面白いです。

登場人物はちょっと弱虫でロマンチストなところがある羽柴夏樹・成績優秀で他校に彼女がいるオタクの直江剛・チャラいけど面倒見の良い松永智也、
明るく爽やかだけど実はドSな片倉恵一。

基本的には、夏樹の片想いを軸に物語は進んでいきます。

それぞれ全く価値観の異なるバラバラなタイプの4人が一緒にいるところも、話に飽きがこずよく作り込まれています。

自分は女性ですが、男子ならではの日常や、恋愛に対する価値観が新鮮でとても面白いです。

それでいて、「男子も恋愛のことでこんなに女々しく悩んだりするんだな」とほほえましい気持ちになったりも。

しかし、恋愛だけではなく4人の友情や進路についても描かれていて、高校生ならではの悩みに共感を覚える場面もあります。

特に、卒業を控えて環境が変わることに前向きになれない恵一の視点のストーリーが非常に良かったです。

高校を卒業してから読むと、「学校」という場で友達と何気なく話したり、お弁当を食べたりしていた、くだらないことで笑いあっていた時間が
本当に貴重だったんだな、と当時を思い出して懐かしく感じます。

笑いあり涙あり、胸キュンありで読み応え抜群の作品です。

虹色デイズ / Rainbow Days
8

THE・青春

純粋で愛されキャラのなっちゃん、ノリで生きているチャラ男のまっつん、オタクで秀才のつよぽん、ドSだけど友達思いの恵ちゃんは、仲良し4人組。個性豊かな4人の男子高校生が、恋愛を軸に繰り広げる日常が鮮やかに描かれた映画です。

同級生の小早川さんへ恋心を寄せるなっちゃん、小早川さんの友達で寂しさから周囲に冷たい態度であたる筒井さんにマジな恋をしたまっつん、同じ趣味を共有できる彼女がいてみんなの憧れつよぽん、モテるけれどマジな恋を探し中の恵ちゃん。友達、恋愛、家族、進路……高校生の悩みは尽きない。4人が本気で「今」に悩み、時には現実逃避しながらも「将来」を思い描く姿に、高校生活の3年間がどれだけ大事な時間であるかを感じずにはいられません。世の中に永遠なんてない。変わらないことなんてない。終わりがあるからこそ、今を大切に楽しんで生きるしかないのだということを教えられます。
4人が制服のままプールに飛び込むシーンが印象的で、「こんなの今しかできない」と思い切りはしゃぐ様が、まさに青春。笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、今しかできないことに一生懸命になることで、高校生活の日常が青春になるのだと感じました。