ときめきトゥナイト

ときめきトゥナイト

『ときめきトゥナイト』とは、池野恋によって1982年から1994年まで『りぼん』で連載された漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。人間界と魔界を主な舞台とし、江藤蘭世、市橋なるみ、真壁愛良の3人の少女が主人公を務める3部作となっている。初期はギャグ要素が強かったが、第1部のヒーロー真壁俊が魔界の王子であったことが発覚する辺りからシリアスな要素が増えた。連載終了後も根強い人気を誇り、スピンオフ作品や前日譚、リメイク版などが発表されている。

ときめきトゥナイトのレビュー・評価・感想

ときめきトゥナイト
8

人を想う気持ちは、自身の成長に繋がる

”ときめきトゥナイト”、作品名として聞いたことがある人は多いと思います。この作品は少女漫画の月刊誌”りぼん”に長期連載されていた作品です。
長期連載ということもあり、ヒロインが作中で世代交代しているんです。世代交代しても前作キャラの絡みがなくなることはないのでご安心下さい。それどころか、シリーズが変わってからのヒロインがピンチになった時に助っ人として登場。そもそもが重要なポジションで、最初から世代交代後のヒロインのサポートをしてくれる心強い存在。読み手のこちら側も前作ヒロインのロス感を感じさせないいい演出だと思っています。
ちなみに私は最終章である”愛良編”から読み始めました。しかし、やっぱり登場人物同士の繋がりを見ていくと前作、前々作が気になってくるのです。
張りましたとも、ブックオフへ。
買いましたとも!ありったけ!!あと、親戚のお姉さんも持っていたのでそこからももらってコンプリートしてました。
そして”ときめきトゥナイト”を語るなら、原点である”蘭世編”なんです。
何故って?”蘭世編”は最初コメディ色強い少女漫画からスタートします。蘭世は吸血鬼の父親と狼女を母親に持つモンスター一家の長女。しかし、そろそろどちらかの血統が出てくる時期になっても見た目も能力も人間のままで、両親から出来損ない子と嘆かれつつも愛されて過ごしていました。そんな蘭世に出会いが訪れます。それは真壁俊という素行の悪い男子。蘭世は彼に一目ぼれし、鬱陶しいくらいに「真壁くん!真壁くん!」と、まとわりつきますが、真壁君は当時プロデビューを目指しボクシングジムに通っていました。そこの一人娘の神谷曜子が蘭世のライバルになります。蘭世と神谷さんは犬猿の仲。真壁君を巡り取り合い合戦な日常からシリアス展開に入っていきます。この真壁俊は実は蘭世の両親の生まれ故郷である魔界という場所の王子だったのです。しかもただの王子ではなく、双子で生まれた王子なので不吉な象徴ということで真壁君の母親と真壁君は人間界へと追放されていた身だったのです。そこから蘭世は覚醒します。ちなみに、真壁君は一度死にます。赤ちゃんに戻ってそこから急成長していきます。その時の蘭世は母性全開!好きな人の為なら命を懸けて戦う決意をして真壁君を守り抜きます。この献身さに真壁君も蘭世にどんどん惹かれていくのです。そして、試練は一度ではなく何度でも訪れます。その度に二人の絆は深まっていくのです。蘭世が流す涙は決意の涙、前に進むために流す涙だと私は捉えて読んでました。
この作品の何がいいところって、結構短いスパンでエピソードが変わっていくのです。
勿論、これいるかな~?とかそういうのもありましたが、登場人物の元々のキャラ設定の伏線を回収する為なのかなって思うと、どのシリーズも大事だったりもします。
その中で特にこれ!というのが顕著に表れる作品なのではないでしょうか?