終物語 / Owarimonogatari

終物語 / Owarimonogatari

『終物語』は西尾維新による青春怪異小説『〈物語〉シリーズ』のファイナルシーズン第3弾。2013年10月22日に上巻が、2014年1月30日に中巻が、2014年4月2日に下巻が発売された。イラストはVOFANと針玉ヒロキ。当初は全1巻の予定だったが、西尾が予定よりも多く書いたため、全3巻となった。
収録されているエピソードは、上巻が「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」「そだちロスト」の3つ、中巻が「しのぶメイル」の1つ、下巻が「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」の3つである。語り部は主人公の阿良々木暦(あららぎこよみ)が務める。
上巻では暦と数学の得意な少女・老倉育(おいくらそだち)にまつわるエピソードが描かれる。中巻では暦の相棒ともいえる忍野忍(おしのしのぶ)と、彼女の1人目の眷属「初代怪異殺し」との関係性に決着がつく。下巻ではファイナルシーズンで暗躍してきた忍野扇(おしのおうぎ)との最終決戦が描かれる。

終物語 / Owarimonogatariのレビュー・評価・感想

終物語 / Owarimonogatari
10

阿良々木暦によって、最後の高校生活

物語シリーズ・ファイナルシーズンの第三弾。上巻、中巻、下巻分かれており、アニメでは上中巻の内容を2015年10月に、下巻の内容が2017年8月に放送されました。
上巻では阿良々木暦の過去に起こった事件について忍野扇が解決する内容になっています。阿良々木暦が少年時代に出会った少女、老倉育は彼を誰よりも敵視しています。なぜ、自分がそこまで憎まれている理由を知らない阿良々木暦に対して、忍野扇がその理由を丁寧に解明します。二人の面白いやり取りから、阿良々木暦の愚かさを知ることができます。
中巻では、夏休み最後の冒険が舞台となっています。時系列は猫物語(白)の後半部分と同時期であることから、時系列が少し前となります。阿良々木暦のパートナーである、忍野忍の最初の眷属、「初代怪異殺し」が出現し、阿良々木暦と対決する流れとなっています。初代怪異殺しは忍野忍に誰よりも拘ります。そんな彼の過去についても描かれていて、なぜ拘るのかを知ることができます。
下巻では阿良々木暦が迎えた大学受験当日の朝、地獄に落ちます。その地獄で消えたはずの八九寺真宵との再会します。そして、戦場ヶ原ひたぎとの高校生活最後のデートをする中で、忍野扇が登場します。そして、忍野扇の正体、彼女との戦いなど衝撃的な出来事が起こります。終物語の主軸であり、これまでの物語シリーズにおける一連の出来事にも関係している忍野扇について知ることができます。