いきものがかり / Ikimono-gakari

いきものがかりとは、日本のバンドである。1999年に水野良樹と山下穂尊の2人でバンドを結成。その後、2人の同級生の妹である吉岡聖恵が加入し、3人となった。2003年、アルバム『誠に僭越ながらファーストアルバムを拵えました…』でインディーズデビューを果たした。2006年にはシングル『SAKURA』でメジャーデビュー。この曲が大きな話題となり、桜ソングの代表格なった。また、同年に初のライブツアーを開催した。2008年には初の紅白歌合戦出場を果たし、2009年発売の15thシングル『YELL/じょいふる』の「YELL」はNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として全国の中学生に歌われ、卒業ソングの定番曲となった。2010年に発表された「ありがとう」は、NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の主題歌となり、幅広い層から支持を得ることとなった。その後も活躍は続き、2016年まで連続で紅白歌合戦に出場した。2017年、放牧宣言をし、活動を休止した。2018年には活動を開始したが、2021年に山下がグループから脱退し、2人体制となった。

いきものがかり / Ikimono-gakariのレビュー・評価・感想

いきものがかり / Ikimono-gakari
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平成時代の青春

例えば春は散りゆく桜を、夏は燃えるような恋心を、秋には落ちゆく夕日を、冬は寒さ震える帰路の中で、それぞれの季節にあった歌をいきものがかりはリリースしている。
生活の中でふと見つけた小さな幸せを拾い上げて、選び出し、詞曲に紡いでくれる。そしてそれを時に力強く、時に優しく丁寧に歌い出してくれるボーカルのバランスの良さが心地良い。

青春時代の眩さから1人になった時の寂しさまで、私たちの情緒が様を変えるように振り幅のある曲が多い中、歌という形で私たちを引っ張ってくれるボーカル・吉岡聖恵の声に背中を押され、前をむけること、時に歩幅を合わせて寄り添ってくれているような気持ちになること間違いなし。

また、ギターの水野良樹は他のアーティストに楽曲提供をするほどの実力の持ち主だ。疾走感のあるイントロからしっとりとしたバラードまで様々な曲調を作り出す。
YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」にて「気まぐれロマンティック」を披露した際のコメント欄には、「この人(吉岡聖恵)の底抜けに明るい声が欲しい時だってあると思う」というコメントが寄せられていた。

私たちの繊細な心に寄り添ってくれる暖かい歌詞や、その歌声の数々に虜になるリスナーもきっと多い。
しんどい時、嬉しい時、悲しい時、喜びたい時。
気持ちを昇華する時にそっといきものがかりの曲はきっと大事な役割を担ってくれるだろう。

いきものがかり / Ikimono-gakari
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ストレートに伝わる曲と美しい巧みな歌詞をもつ曲を生み出すグループ

■ストレートに伝わる曲とは?
リーダーの水野良樹さんが作詞・作曲すると、ストレートに伝わる曲になります。
代表作としては「ありがとう」や「帰りたくなったよ」が挙げられます。
曲のテンポも歌詞を聞き取って理解して受け止めるのに十分なスピードにしてあるため、素直に聞き入れることができます。
そのため、ドラマやCMのタイアップ曲となる(依頼を受けてそれに合わせて曲づくりをしている部分もありますが)ことが多いことが特徴です。
■美しい巧みな歌詞をもつ曲とは?
ギター・ハープ担当の山下穂高さんが作詞・作曲すると、美しい巧みな歌詞をもつ曲になります。
代表作は「心に花を咲かせよう」や「ハジマリノウタ~遠い空澄んで~」が挙げられます。
例えば、「ハジマリノウタ~遠い空澄んで~」の歌詞は曲を聴きながらその情景をイメージすることができるほど、綺麗な歌詞になりつつ、「連綿」という日常では用いない言葉を歌詞に入れるなど、山下さんの言葉選びのセンスと語彙力の高さ、それを曲に入れて美しい曲に仕上げるという巧みさを感じます。
よって、水野さんが作詞・作曲した曲と対照的に、心で聞くような曲を生み出してくれます。
■総合的には
他にもヴォーカルの吉岡聖恵さんの作詞・作曲した曲もあり、これはしっとりとした曲になる傾向があります。
代表作は「東京」です。
この違う方向性の曲を生み出せ、世の中に広く届けることができることがいきものがかりの素晴らしい点だと思います。

いきものがかり / Ikimono-gakari
10

ずっと寄り添ってくれる

いきものがかりは、ずっと自分に寄り添っていてくれるようなアーティストです。多くの人に支持されるだけのことはあると思いました。特徴は、一部の世代の人だけに支持されているのではなく、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで、全ての世代の人の心に響く楽曲を演奏しているという点です。若い人にしか共感されないというのではなく、どの世代の人が聴いても共感できるのです。その秘密は歌詞やメロディーにあると思っています。どちらも王道を行っているのです。クセのある曲だとか、歌詞が独特でよく分からないということが少ないのです。「面白みがない」と言われればそれまでですが、どちらもとにかく心地良いのです。歌詞は分かりやすく、多くの人が好むような内容ですし、メロディーも耳障りがとても良いのです。これが幅広い世代の人が好む理由だと思っています。そのため、ずっと寄り添っていてくれるような気持ちになれるのです。子どもの時に聴いても、大人になっても、子どもが出来ても、年を取っても「いい曲だな、自分のそばにいるな」という気持ちにさせてくれるのです。自分に近付き過ぎず、離れて行ってしまうこともありません。これが大きな魅力だと思っています。

いきものがかり / Ikimono-gakari
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現在は放牧中、J-POPの王道いきものがかりについて

いきものがかりは水野良樹と山下穂尊のギターの男性2人に、ボーカルの吉岡聖恵を迎えたスリーピースバンドです。バンド名の由来は水野良樹と山下穂尊が小学校の同級生で共に金魚の餌を与える生き物係をしていたことからです。1999年に結成され、一時活動休止も経て2003年にインディーズでデビュー、2006年にシングル「SAKURA」でエピックレコードジャパンよりメジャーデビューを果たしました。「SAKURA」はサビの歌詞が印象的な卒業ソングですが、デビュー曲にはかなりの精度の高さです。卒業の頃と時を経てからの心境の変化などが細やかに綴られています。
いきものがかりははじめは水野良樹、山下穂尊の2人で結成されましたが、当時は路上でゆずのカバーを歌う男性2人組が多かったため何か違うことをしようと思い立ち、高校の同級生の妹である吉岡聖恵を紹介されたことが3人組となるきっかけでした。吉岡聖恵はその後に昭和音楽大学の短期大学部を卒業していますが、テクニック重視でなくどの楽曲も情感を込めて丁寧に歌い上げています。
2009年にリリースされた「YELL」はNHK全国学校音楽コンクール中学生の部課題曲に選ばれ、翌年リリースされた「ありがとう」は2010年度上半期の朝ドラ「ゲゲゲの女房」の主題歌としてヒットし、いきものがかりは一躍幅広い年代に支持されるようになりました。2016年にはメジャーデビュー10周年を迎え、2017年1月5日の放牧宣言をもって活動を休止し現在に至っています。また活動再開される日が待たれますね。