小公女セーラ / プリンセスセーラ / A Little Princess Sara

小公女セーラ / プリンセスセーラ / A Little Princess Sara

『小公女セーラ』とは、1985年1月6日から12月29日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30から20:00に全46話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメである。「世界名作劇場(ハウス世界名作劇場)」の第11作目。英語表題は"A Little Princess Sara"。原作はフランシス・ホジソン・バーネット(バーネット夫人)の児童文学『小公女』である。昭和60年度、厚生省児童福祉文化奨励賞、文化庁子供向TV用優秀映画賞をそれぞれ受賞している。
お嬢様として何不自由なく育ったイギリス人の少女、セーラ・クルーは、父親のラルフ・クルー大尉と共にインドからロンドンへやってくる。父親の希望もあり、ミンチン女子学院に入学するセーラだったが、11歳の誕生日、父親が破産し亡くなったという知らせが来る。セーラは一転して学園の使用人の身になり、いじめられるが、持ち前の気高さや優しさで困難を乗り越えていくのだった。

小公女セーラ / プリンセスセーラ / A Little Princess Saraのレビュー・評価・感想

小公女セーラ / プリンセスセーラ / A Little Princess Sara
10

大人だからこそ見て欲しい、小公女セーラの挫けない心

『小公女セーラ』は、主人公のセーラが裕福な生活から一転、父親の死後、メイドとして厳しい日々を送る中でも、誠実さと強さを忘れずに生き抜いていく物語だ。彼女が受ける数々の試練や、彼女を取り巻く人々との複雑な関係は、今の時代にも通じるテーマを持っている。特に、ミンチン院長や同じ学院に通うアメリア、メイド頭やコック長から冷酷に扱われても、セーラは復讐することなく「許し」を選び、その寛容さと強い心を見せてくれる。

この作品は、職場や人間関係で困難を感じている20代以上の人たちにとって、色々と考えさせられる内容だ。セーラのように、どんなに辛い状況でも他人を許し、自分の誇りを保ち続けることの大切さを教えてくれる。また、彼女を支えるキャラクターたちとの友情や助け合いのシーンも、現代社会で共感できるポイントだろう。

『小公女セーラ』は1985年のアニメだが、その美しい作画や声優の演技、そして心に響くストーリーは、今見ても十分に楽しめる。セーラの物語は、ただ困難に打ち勝つだけでなく、【自分】を持ちながら他者への思いやりを大切にすることを教えてくれる。20代以上の視聴者にとって、今でも見る価値のある名作だと言える。