日に流れて橋に行く

日に流れて橋に行く

『日に流れて橋に行く』とは、日高ショーコによる日本の漫画作品。集英社の『YOU』にて、2017年2月号から2018年11月号まで連載され、その後2019年3月号から『Cookie』に移籍・連載している。物語の舞台は明治末期。日本橋の老舗呉服店「三つ星呉服店」から若者たちが新風を巻き起こし、百貨店を誕生させる様子を描いた物語である。

日に流れて橋に行くのレビュー・評価・感想

日に流れて橋に行く
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朝ドラになってもおかしくない漫画作品

女性向け漫画雑誌『YOU』にて連載中の漫画作品で、ジャンル的にはお仕事サクセスストーリー。舞台は明治末期の東京で、西洋化の波が押し寄せて過渡期を迎えた老舗呉服屋が、潰れる寸前の状態から最盛していく物語です。明治末期~大正~昭和初期のあたりの空気感が好きだったり、多少知識のある方はかなり楽しめる作品かと。
この物語の主人公は主に2人いて、1人は老舗呉服屋『三つ星』を営む星乃家の三男、“星乃虎三郎”。もう1人は三つ星を最盛すべく雇われた女性店員、“卯ノ原時子”。まだまだ社会的に男尊女卑が根強く残る時代なので、時子目線で作品を見ていくと朝ドラの主人公にありそうな世界観で、男性社会で女性の地位を開拓していく、または好きなことを胸を張って仕事にしていくところが、お仕事女性のサクセスストーリーとして見れます。
また、虎三郎視点で作品を見ていくと、呉服屋が“デパート”となっていく日本文化・歴史の中で、今にも潰れそうな呉服屋を背負った虎三郎が、先見の明と人望、柔軟な発想で三つ星を有名デパートと肩を並べる存在にしていくサクセスストーリーとなっており、彼の打ち出す広告展開や店舗改革の一つひとつが成功していくと、読者はとてもスカッとした気持ちになれること間違いなしです。