楢山節考
『楢山節考』は、1958年に公開された木下惠介監督による日本映画。原作は深沢七郎による同名の小説。主演は田中絹代と高橋貞二。
舞台は信州。信州では70歳になると食い扶持を減らすため老人が自発的に自然死を求め楢山へ行く風習があった。主人公のおりんは69歳、妻と死別した息子の辰平に良い嫁が来て、安心して楢山に行けることになった。おりんは石臼を使って丈夫だった前歯を折り、冬の朝に辰平をせきたて、背負われながら山へと向かっていく。黒子の口上など歌舞伎の様式に基づいた美術や色彩効果を加えた撮影や、長唄や浄瑠璃なども取り入れられた音楽、舞台劇の様なオールセットで様式化された美しさを演出している。
1958年度のキネマ旬報ベストテンでは第1位。木下惠介はキネマ旬報日本映画監督賞を受賞。主演の田中絹代は女優賞を受賞。その他にも毎日映画コンクール日本映画大賞などを受賞している。2012年に木下恵介生誕100年を記念してカンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された。1983年には今村昌平監督により再映画化され、カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞している。
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