飢餓海峡
『飢餓海峡』は、水上勉の推理小説。内田吐夢監督により、1964年に映画化された。映画の主演は三國連太郎。脚本は鈴木尚之。音楽は冨田勲。
舞台は終戦直後の昭和22年、台風のため連絡船が沈没したその日、北海道の質屋に強盗が入り放火、町は全焼する。連絡船の死者が名簿より2名多かったことから質屋の強盗犯と断定されるが、もう一人共犯者がいることが判明することによって刑事の弓坂の執拗な追跡、殺人犯である犬飼の数奇な運命、そして犬飼をかつて匿った娼婦の八重の恋情とその顛末を描いた重厚なサスペンス。
映画は内田吐夢監督の映画人生の総決算ともいわれる執念の大作であり、撮影は敢えて16ミリフィルムで行われ、数奇な運命に生きる登場人物達をドキュメンタリータッチで描いている。そして当初は3時間以上の長さで完成したものの、映画会社側が断りなく短縮版を上映する事件も起きた。完全版が公開されたのは1975年である。
1968年、1978年、1988年にはテレビドラマ化され、舞台化も何度も行われている。
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