愛のコリーダ

愛のコリーダ

『愛のコリーダ』とは、大島渚監督による1976年に公開された日本とフランス合作映画。主演は藤竜也と松田暎子。
舞台は昭和11年、東京中野の料亭である吉田屋。料亭の主人吉蔵に女中の阿部定が一目惚れする。吉蔵も定に惹かれ、二人は日々情事を重ねるようになり、そのうち強い独占欲を抱いた定は、吉蔵を自分だけのものにしようと恐ろしい行動に出る愛欲劇。日本初のハードコア描写が話題となった作品である。
大島渚監督はこの作品を、実際に起きた「阿部定事件」を題材に、フランス映画として完成させ、日本では検閲カット済みの不完全版が上映されたことが論争を呼ぶことになった。映画中でのいわゆる本番行為は、芸術なのかわいせつかというこの論争が沸き起こり、関連書籍を巡って裁判にまで発展したりするなど社会問題になった一方、海外ではカンヌ映画祭で上映されるなど芸術作品として高い評価を得た。2000年には国内でも完全ノーカット版が販売されている。
この映画にインスパイアされた楽曲「Ai No Corrida」が1979年にリリースされ、クインシー・ジョーンズが1981年にカヴァーしたバージョンが世界的に大ヒットした。