ジョン・バロウマンは見てよし、聴いてよし
『ドクターフー』や『トーチウッド』とドラマでも大活躍のジョン・バロウマン。1967年3月11日にグラスゴーで誕生しました。黒髪に碧い目の息を飲むようなイケメンですが、歌うようにセリフを言うその声がまた素晴らしいのです。アルバム『Swinging Cole Porter』ではコール・ポーターの名曲を生き生きと軽やかに歌い上げ、中でも収録曲「Anything Goes」は、やや問題ある内容の歌詞なのに明るい人生賛歌のように響いてきます。バリー・マニロウの名曲「コパカバーナ」もジョンにかかればさらにドラマチックな歌いこなしです。
「I won’t Send Roses」ではバラードで、せつなく悔いに満ちた心情を、なめらかに潤いある低音で聴かせます。ライブでのジョンは歌い踊り華やかでトークまで楽しいですが、CDで聴いている時でも、その豊かな表現力に惹きこまれます。歌うように喋るけれど、話すように歌うのもジョン・バロウマンなのです。
映画『プロデューサーズ』では劇中劇で金髪碧眼のナチス将校として登場。「Springtime for Hitler and Germany」と憚られるような設定と歌詞なのに、優雅に歌を響かせるジョンがキラキラしていて、ブラックジョークがより際立ちます。短い出演場面で強烈な存在感を発揮していました。
見てよし、聴いてよし、どっちかだけでもよし、と、才能あふれる、サービス精神とギャグセンスも秀逸なジョン・バロウマンです。