ワンダーランド:あなたに逢いたくて

ワンダーランド:あなたに逢いたくて

『ワンダーランド:あなたに逢いたくて』とは、2024年の韓国のSFロマンスドラマ映画。監督・脚本はキム・テヨン、出演はタン・ウェイ、ペ・スジ、パク・ボゴム、チョン・ユミ、チェ・ウシクなど。人工知能により、亡くなった人と残された人の対話が可能になった世界が舞台。キャビンアテンダントと一児の母、2人の女性がそれぞれに現実と仮想のはざまで人間性の本質を探っていく。

ワンダーランド:あなたに逢いたくてのレビュー・評価・感想

ワンダーランド:あなたに逢いたくて
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仮想空間で生き続ける?

ワンダーランド旅行社は、法律上の死亡かそれに準ずる状態になった人に限り、仮想空間でアバターとして生きるサービスを提供している。さまざまな状況でこのサービスを利用する5組の家族の物語だ。
仮想空間の住人は自分が亡くなっているという記憶を消されて暮らし、現実の社会とはTV電話でコミニュケーションをとっている。
シングルマザーのバイリー(タンウエイ)はファンドマネージャー。仕事が忙しく娘との時間を持てないまま幼い娘と母を置いて亡くなる。娘には亡くなった事を知らせず、自身の設定を憧れの職業の考古学者に書き換えて仮想空間へ旅立つ。
CAのジョンイン(ペ・スジ)は、脳死状態の恋人テジュ(パク・ボゴム)を、パイロットから宇宙ステーションで働く宇宙飛行士に設定する。意識が戻らず入院している恋人を悲しく思いながら、アバターのテジュとのTV電話を楽しむ。
バイリーが過去の記憶を思い出したり、テジュが奇跡的に意識を取り戻したり、想定外の出来事が起りはじめる。

既に実際にあるサービスかもしれないと思ってしまうような現実味を感じるのは、キム・テヨン監督のリアリティ溢れる映像と、韓国で人気の若手演技派俳優の力だと思う。
監督から仮想空間で生き続けることに対してどう思うかと、問いかけられているような映画。
見終わった後はいろいろと考え込んでしまうだろう。