デブとラブと過ちと!

デブとラブと過ちと!

『デブとラブと過ちと!』とは、ままかりによる日本の漫画。 2019年9月からNTTソルマーレの電子雑誌『恋するソワレ』で連載がスタートした。コンプレックスの塊・夢子はある日、事故に遭ってしまう。なんとか一命を取り留めた彼女は超ポジティヴな人間に変わっていた。恋に仕事に友情に、全力で挑む夢子に元気をもらえるドタバタラブコメディーである。2022年11月にはテレビドラマが放送され、さらにテレビアニメ化も発表された。

デブとラブと過ちと!のレビュー・評価・感想

デブとラブと過ちと!
9

主人公がどんどんかわいくカッコよく見えてくる不思議

主人公は製菓会社に勤める夢子。物語は彼女が救急搬送されるシーンから始まります。かなりの肥満体で表情も暗く、いつもネガティブで自己肯定感ゼロだった彼女は、九死に一生を得て目覚めた時、全ての記憶を失っていました。そして、超ポジティブで明るい性格に180度変わっていたのです。何しろ以前は醜形恐怖で鏡を部屋に置かなかった夢子が、覚醒後に自分の顔を見た第一声が「超かわいい」でしたから、家族も社員たちも驚愕しつつ、自己肯定感の塊となってバリバリ仕事をし始める夢子を受け入れて行きます。一方、夢子が死にかけたのは、どうやら誰かから突き落とされたことが原因らしく、犯人を突き止めるべく警察も動き出します。
夢子のスマホの画像フォルダーに入っていたイケメンは実は副社長。友人として少しずつここをを通わせていく夢子。また彼女の発想力とポジティブな行動力を認めていく課長の前園。少しずつ周囲の人間を魅了しながら仕事でも活躍していく夢子だが、どうもこの2人どちらも事件に深くかかわっているようでと、サスペンス要素が入り組んでいいアクセントになっています。
夢子は自分のマシュマロボディを魅力と捉えているのでダイエットとかしません。要するにデブはデブのまま。でも顔を隠さずメイクを愉しみ、体型を気にせずおしゃれな服を楽しむ夢子は、同じ造形の筈なのにとても可愛く見えてくるのです。多少の悪口は「私の美しさに嫉妬させてしまってごめんなさい」と本気で思う強メンタル。ちょっと分けてほしいぐらいです。
仕事にも常に体当たりで真剣に取り組み、まあちょっと都合良すぎというか「そうはならんやろ」とツッコミ宅なる部分もありますが、頑張りが評価されて次第に味方が増えていくのも納得させられます。
この先事件の真相が明らかになれば、夢子はどうあれ傷つかずにはいられないような気がするのですが。先が気になる一作です。