終のステラ

終のステラ

『終のステラ』とは、Key/ビジュアルアーツから発売されたコンピュータゲーム。リリース日は2022年9月30日。舞台は終末世界。人間になりたいアンドロイドフィリアと、彼女を輸送することになった人間ジュードの2人が、旅の終わりを目指すという内容である。キャッチコピーは「空の向こうに行けば、人間になれる――。」Keyの折戸伸治は本作が『Harmonia』『plametarian〜ちいさなほしのゆめ〜』と合わせてロボット三部作だと語っている。

終のステラのレビュー・評価・感想

終のステラ
9

終末世界での人とロボットの親子になるまでの話

「終のステラ」はビジュアルアーツから発売されているキネティックノベル、いわゆるノベルゲームになります。シンギュリラティを起こしたロボット(AI)により支配され、人類がいずれ絶滅してしまうかもしれないほど減少した終末の世界での運び屋と呼ばれる仕事をするジュードという主人公が、ある依頼人からアンドロイドのロボットを届けてくれと依頼されるところから物語が始まる作品になっています。
ジュードが依頼されたAe型アンドロイドと呼ばれる女の子の形をしたロボット。ジュードがフィリアと名付けた女の子は、最初はまるで世間知らずのお嬢様のような行動を取り、ロボットのくせに普通の人間と何ら変わらないような能力しかないフィリア。彼女に嫌気が差しながらも、「人間になりたい」と口にするファリアにジュードは生き方を教えていきます。様々な障害を乗り越えて行く中で、最初は運び屋と荷物という関係だったものからまるで父と娘のようになって行く2人の姿を見てゆく作品になっています。
また終盤の方でフィリアを運んでくれと頼んだ依頼人と会うことになります。そこで依頼人がどうしてフィリアを求めていたのを知ったジュードの葛藤やフィリアの思い。それらを乗り越えた後に待つ2人の最後の時間と、そこで育まれる本当の親子のようなやり取りは涙無くしては見れません。
親子とは何なのかを教えてくれる、そんな作品になっています。